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2022.7.26

定着率とは?定着率の計算方法から向上させる方法まで解説!

今回は、定着率について解説します。
この記事を読めば、定着率を向上させるための手順が分かるようになります。また、定着率の計算方法まで分かるようになるでしょう。ぜひ、職場環境を改善したい方は、この記事を参考にしてみてください。

<はじめに>
企業の魅力を図るための指標が定着率です。

定着率の高い企業は、従業員にとって働きやすい環境が提供できていることを意味します。定着率を上げるために、どのように取り組めば良いのでしょうか?

今回は、定着率について解説します。この記事を読めば、定着率の計算方法から向上させる方法まで分かるようになるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。

◆ 定着率とは


定着率とは、入社X年目までに在籍している者の割合をいいます。

例えば、100人の従業員が入社して、1年後に10人の従業員が離職した場合は定着率は90%(離職率は10%)となります。

定着率は離職率と対となる言葉です。そのため、定着率が高い企業は離職リスクが低いと言えます。

・ 定着率の計算方法

定着率の計算方法は「定着率=100―離職率」です。

離職率は、「(一定期間内の)離職者数÷在籍社数×100%」で求められます。

例えば、入社後3年以内の離職率が15%である場合は、定着率は85%となります。

・ 定着率の平均目安

厚生労働省「令和3年上半期雇用動向調査結果」によると、全体の離職率は8.1%となっているため、定着率は91.9%ということになります。定着率は業種別で大きく異なります。そのため、業種別の定着率(100-離職率)を確認しておきましょう。

業種別の離職率を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

◆ 定着率を向上させるメリット


定着率を向上させると、以下のようなメリットが得られます。

・ 採用コストが削減できる

定着率が上がると、離職による欠員が出ずに済むため採用コストが削減できます。人材を採用するためには、広告制作や説明会会場の確保など、さまざまなコストが必要です。

マイナビの独自調査では、1人あたりの採用コストは約50万円と言われています。余計な採用コストをかけないために、定着率を向上させる必要があるのです。

・ 生産性が向上できる

定着率を向上させれば、生産性向上が見込めます。その理由は、従業員が業務に慣れるほど、労働生産性が上がっていくためです。

在籍年数が長いベテランの従業員であれば、業務の流れを把握して効率的に動いていけるようになります。

また、従業員が定着すると、お互いの性格や価値観を把握して仕事が進められるなど居心地の良い職場になります。

・ 採用のモチベーションを上げられる

定着率を上げると、採用のモチベーションを上げていけます。その理由は、職場環境が良好であれば「新たな仲間を迎え入れよう」という前向きな意欲が芽生えるためです。

定着率が低ければ、採用や教育する担当者は「すぐに退職してしまうから」とモチベーションが削がれてしまうことになります。

採用や教育に力を入れられなくなり、信頼関係の構築に対する努力を怠りがちになってしまうのです。このような問題は、定着率を上げて採用のモチベーションを持たせることで解決できます。

・ 人材採用がしやすくなる

定着率が上がると、人材採用がしやすくなります。

その理由は、定着率が高い企業は「職場の人間関係が良好である」「キャリアアップが図れる」「労働時間が適切で働きやすい」と思ってもらえるためです。

インターネットの普及に伴い、企業の評判は検索しやすくなりました。

離職率の高い企業は「激務で従業員を使い捨てる企業」「職場の人間関係が最悪」など悪い評判が立ちます。その結果、人材採用がしにくくなってしまうのです。

このような問題が起きないように、定着率を上げて人材採用に活かしていきましょう。

◆ 定着率を向上させるための取り組み方


定着率を向上させる必要性は理解して頂けたと思いますが、どのように取り組めば良いのでしょうか?ここでは、定着率を向上させるための取り組み方をご紹介します。

・ 過去3年分の定着率を計算する

まずは、過去3年分の定着率を計算します。

定着率の計算方法は「定着率=100-離職率」となります。

離職率の計算方法は「(一定期間内の)離職者数÷在籍社数×100%」です。

過去3年分の定着率を計算することで、職場環境に満足してもらえているか把握できます。

・ 定着率が悪化している仮説を立てる

定着率が低い場合は、従業員が不満を抱いている原因を考えていかなければいけません。従業員が不満を抱き、退職してしまう理由には以下のようなものが挙げられます。

・職場の人間関係が悪い
・労働時間が長い
・給与が低い
・仕事内容が合わない
・人事評価に不満がある

仮説立てしておくことで、検証しやすくなります。

・ 従業員満足度調査を実施する

次に、従業員満足度を調査していきます。従業員満足度調査はアンケート形式で、2週間程度の期間を設けて実施してください。アンケート項目には、以下のようなものを設けておきましょう。

また、定着率を上げる方法として離職率を下げるという選択肢もあります。離職率を下げる方法については、以下の記事にまとめているので参考にしてみてください。

・ 調査結果を踏まえて職場環境を改善する

従業員満足度調査を実施して、問題の箇所を見つけた場合は速やかに改善していきましょう。従業員が働きやすい職場環境を整備していけば、定着率を上げていくことができます。

定着率を上げていくための施策をリテンションと呼びますが、どのようなものがあるか気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。

・ 職場改善をして定着率が向上したかを確かめる

職場環境を改善したら満足するのではなく、定着率を上げられたか確認してください。効果を検証しなければ、定着率の向上の施策として最適だったかの判断ができません。そのため、定着率が上がったかどうかは必ず確認してください。

◆ 定着率が高くて有名な企業3選

就職四季報では、3年後の離職率が掲載されていますが、2年連続100%の定着率を誇る企業が5社存在します。100%の定着率を実現する企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか?ここでは、定着率が高い企業の取り組み事例をご紹介します。

株式会社タクマ


出典元:株式会社タクマ 採用ページ

産業廃棄物処理プラント事業を展開している株式会社タクマは、2年連続100%の定着率を誇るだけでなく、平均離職率3%という低さからも注目されています。

自己資本比率50%を超える東証一部上場企業で、経営が安定しています。年休128日で好待遇が見込め、家族手当や住宅手当、寮社宅、通信教育講座の受講奨励などの福利厚生が充実していることが大きな特徴です。

また、3年に1度、部署異動の希望を出せる制度が設けられており、別のポジションにチャレンジできる環境が用意されています。

加賀電子株式会社


出典元:加賀電子株式会社 採用ページ

エレクトロニクス商社である加賀電子株式会社も、2年連続100%の定着率を実現しています。顧客数4,000社と業界トップクラスの企業で、好待遇が見込め、家族手当や住宅手当、寮社宅などの福利厚生が充実しています。

さらに、同社は従業員がキャリアパスを描けるように、幅広いテーマの研修を実施していることが大きな特徴です。通信教育など積極的に学ぶ姿勢の従業員の教育にも力を入れており、成長できる職場として高い定着率を実現しています。

株式会社ダイヘン


出典元:株式会社ダイヘン 採用ページ

電気メーカーの株式会社ダイヘンも2年連続100%の定着率を実現しています。ダイヘンの魅力は、従業員がキャリアパスを描きやすくなっていることです。新入社員研修をはじめ、配属後の研修など業務を習得する期間が設けられています。それだけでなく、メンター制度が導入されており、仕事の悩みは先輩社員に聞けます。

人材育成の一環として「キャリア自立プログラム」を実施しており、どのようなキャリアを築いていきたいかを考えて行動に落とし込んでいくプログラムが用意されています。このようなキャリアパスを用意しているため、高い定着率を維持できているのです。

◆ まとめ

今回は定着率の計算方法から向上させる方法までご紹介しました。

定着率を向上させると、ベテランの担当者が業務に当たり、生産性向上が見込めます。また、離職により欠員補充のための採用コストがかかりません。

このように、定着率の向上は企業に恩恵を与えてくれるため、これを機会に定着率を計算してみて向上させていきましょう。

いっとは、第三者の専門家がお客様に代わって、従業員の “4つのホンネ” をヒアリングするサービスを提供しています。

ぜひ、離職に繋がる原因を把握して職場環境を見直したいと考えている方は「いっと」をご利用くださいませ。

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