部下と評価面談を行うときに、一方的に話すだけで無意味な面談になってしまうと悩む上司が多く見受けられます。
部下から本音を引き出せなかったり、部下に不満を与えてしまったりなど、評価面談がマイナスに動いてしまうことも多く見受けられます。このような悩みを解決するために、評価面談の適切な方法を理解しておきましょう。
ここでは、評価面談の失敗事例から正しいやり方まで解説します。ぜひ、評価面談に悩んでいる方は、この記事を参考にしてみてください。
目次
評価面談の失敗事例
部下が業務で忙しい中にも関わらず、アポイントもなく会議室に連れ込んで評価面談を開始します。
評価面談では、最初に評価を述べて、その後に理由を説明する形で進めていきました。評価が低い部下に対しては、理由として「この部分ができていない」「この箇所が足りていない」と粗探しを行いました。
評価面談の最後に「評価についての質問はあるか?」と聞く流れのため、部下は何も話さない形式で評価面談が終わってしまったのです。
その結果、評価面談を行った部下は「上司が一方的に話し続けてきて、自分の希望するキャリアは見込めるのだろうか?」「一方的に業務の駄目出しをしてきて、パワハラではないのだろうか?」と不満を溜めてしまいます。このような評価面談を行うと、上司と部下の関係が悪化してしまったり、部下が離職してしまったりします。
不適切な評価面談は離職率が上がる原因です。離職率が上がるとどのようなデメリットがあるか知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『離職率が上がる原因とは?離職率を下げる改善方法まで詳しく解説!』
評価面談が失敗したら起きる問題
評価面談の失敗事例をご紹介しましたが、このような面談を行えば、次のような問題が起きます。
評価面談が失敗したら起きる問題
・モチベーションの低下
・人間関係の悪化
・従業員の離職
ここでは、それぞれの問題について詳しく解説します。
モチベーションの低下
評価面談の評価基準が不明確で納得できないものであれば、部下の仕事に対するモチベーションが低下してしまいます。
上司から評価の結果だけが伝えられると「どのような基準で、このような評価をしたのだろうか?」と疑問に感じてしまいます。このような曖昧な評価基準で、自己評価より低く評価されてしまうと、不満が募ってしまうのです。
部下は「このまま仕事を頑張っても評価されないんだろう」と思うようにんり、仕事に対するモチベーションが低下してしまいます。
人間関係の悪化
評価面談の行い方を間違えてしまうと、部下からの信頼を損ねてしまいます。例えば、評価面談の結果を伝えて、点数が低い箇所について指摘ばかりすると、部下は粗探しをしているように感じてしまいます。
また、部下の意見を聞かない姿勢では、「この上司に相談してもムダ」と不満を抱くかもしれません。適切な評価面談を行わなければ、上司と部下の人間関係が悪化してしまうため注意してください。
従業員の退職
適切な評価面談を行わなければ、部下は不満が募るでしょう。その結果、上司と一緒に働きたくなくなり、会社を退職してしまいます。
リクナビネクストの「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」でも、「上司の仕事の仕方が気に入らなかった」が第1位となります。上司の仕事の仕方次第で、会社の離職率が変わるため、部下が納得できる評価面談を行う必要があります。
評価面談が失敗する原因
評価面談を適切に行う必要性は理解して頂けたと思いますが、なぜ、上手く行えないのでしょうか?部下に不満を抱かせないためにも、評価面談が失敗する原因を把握しておきましょう。
上司が部下を説教する
評価面談は、自己評価と他己評価を比較して認識の相違や、部下の課題を把握して解決させるための場です。それにも関わらず、上司が部下の意見を聞かずに一方的に話す説教型面談が行われやすいです。
その理由は、部下の意見に耳を貸さずに、一方的に話してしまうためです。評価面談では「自分が付けた評価が正しい」という姿勢で話し勝ちです。そのような態度だと部下が本音で話してくれなくなり、有意義な面談が行えなくなります。
部下が自己評価を行わない
評価面談の前には、部下に自己評価をしてもらいます。その理由は、自己評価と他己評価の相違を把握することで、部下の課題点が明確になるためです。
しかし、部下が自己評価をしなければ、話し合う題材がなくなり沈黙に陥ります。このような面談の場では、上司が話をしがちになり無意味な面談になってしまいます。
評価基準が曖昧である
評価面談を行うにも関わらず、評価基準が不明確だと部下が納得しにくくなります。会社によっては、評価基準が曖昧でやり方が定まっていない場合があります。このような場合だと、評価する上司側も困惑してしまうでしょう。その結果、上司は表面的なものでしか評価できなくなり、部下を正しく評価できなくなってしまいます。
評価面談のやり方
評価面談が上手く行えない原因をご紹介しましたが、適切な方法を覚えれば解決できます。そのため、評価面談のやり方を覚えましょう。
[評価面談のやり方]
・アイスブレイクを行う
・部下に自己評価をしてもらう
・課題を共有する
・課題解決方針を決定する
ここでは、それぞれの手順について詳しく解説します。
アイスブレイクを行う
まずは、場を和ますために面談前に5分程度アイスブレイクをします。場の雰囲気を和ませて、相手から本音を引き出せるような環境をつくることが大切です。
アイスブレイクでは、以下のような内容を話しましょう。何を話せば良いか不安に感じる方は、質問やトークのパターンを考えておくと安心です。
■アイスブレイクのやり方
部下に自己評価をしてもらう
アイスブレイクを終えたら、部下に自己評価をしてもらいます。自己評価には、専門のシートを用意してあげると回答しやすくなります。
自己評価を聞いていると、自己評価が高い部下や自己評価が低い部下など、さまざまなタイプがいると感じることでしょう。自己評価は話を折らずに最後まで聞くことが大切です。
部下の話を追ってしまうと、相手から本音を聞き出せなくなります。したがって、最初は相手の話に耳を傾けるようにしましょう。
他社評価を伝える
次に自己評価と照らし合わせながら、他己評価を伝えます。他己評価で不満をもたれないように「能力評価」「情意評価」「成長評価」を適切に行ってください。最初に評価を伝えて、その後に理由を述べて納得させます。
課題を共有する
課題を共有する
自己評価と他己評価を終えたら、双方で食い違っている部分を中心に質問して課題を見つけていきます。部下に質問する際は、話しやすいキッカケをつくり、「どうすれば、〇〇が解決できると思う?」と尋ねましょう。質問するときは、避難的にならないように注意してください。
課題解決方針を決定する
課題を明確にしたら、部下の新しい目標を設定してあげます。新しい目標を設定する場合は、努力をすれば手の届く目標を設定してください。
過度な負荷を与えてしまうと部下は潰れてしまうため注意してください。また、目標設定する場合は、本人の理想の働き方であるか考慮すれば不満を持たれる心配もありません。さらに、目標の達成度を可視化できる状態にすれば、部下の意欲を引き出せます。
評価面談に関するよくある質問
最後に評価面談に関するよくある質問をご紹介します。
Q.評価面談シートは、どのように作成すれば良いですか?
評価面談シートには下記の項目を書いておき、自由に記載できるフォーマットを用意しておきましょう。
[評価面談シートの内容]
・話したいこと
・目標の進捗状況
・業務の進捗状況
・困っていること
・業務中の気づき
評価面談シートをダウンロードしたい場合は、マニュアル作成ナレッジ管理ツール「NotePM」からダウンロードできます。
Q.評価面談を行う際の注意点はありますか?
評価面談には事前準備が欠かせません。部下の評価の根拠が曖昧だったり、面談の進め方が悪かったりすれば、何を伝えても部下は納得できなくなります。そのため、評価面談を行う前に事前に準備をしておきましょう。
評価面談を実施する目的を明確にして、評価結果に根拠があるかをチェックしておくと安心できます。また、肯定的な言葉で評価する練習をしておくと良いです。
Q.評価面談は、どのような場所で行えばいいですか?
評価面談は内容がセンシティブであるため、静かで他人に聞かれない会議室や応接室で行いましょう。他のスタッフが出入りする場所を選ぶと気兼ねのない面談にならず、部下の意見を聞きにくくなってしまいます。そのため、評価面談を行う場合は、会議室や応接室など部屋の予約をしておきましょう。
まとめ
評価面談が適切に行えないと、部下の仕事のモチベーションが低下して退職してしまいます。また、上司と部下の人間関係が悪化して生産性が低下してしまいます。このような事態を避けるために、面談評価を適切に行いましょう。
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