「仕事で迷惑をかけたから退職したい」と悩む社員を放置してもよいのでしょうか?その社員は本当に仕事ができないのでしょうか?
適切に判断できなえれば、企業は人材不足に陥ってしまう恐れがあります。
今回は、仕事で迷惑をかけたと退職する人への対応方法をご紹介します。 仕事で迷惑をかけた人の退職を放置するとどうなるかリスクを解説しており、当事者意識が持てるようになるため、上司または人事担当者は記事を読んでみてください。
目次
[体験談]仕事で迷惑をかけたから退職する人
A社では上司によるハラスメント行為がされており、部下は思っていることを言えない職場環境でした。
上司はハラスメント行為だけでなく、業務指導やフォローをしてくれません。
経験したことがない発注業務を担当することになったBさんですが、上司から指導がありませんでした。業務方針が不明なまま仕事をした結果、ミスをしてしまい、周囲に迷惑をかけてしまったのです。
Bさんは仕事に自信を失い、罪悪感から退職してしまいました。
このような体験談からわかるように、仕事で迷惑をかけた従業員が必ず悪いとは言い切れません。上司の管理不足が悪いにも関わらず、仕事で迷惑をかけたと従業員が責任を感じて退職してしまう場合もあるのです。
仕事で迷惑をかけた人の退職を放置するとどうなる?
仕事で迷惑をかけた人を放置すると、次のような状態になります。
仕事に対する自信を失い消極的になる
仕事でミスをして周囲の人に迷惑をかけてしまうと、仕事に対する自信を失い消極的になります。とくに、仕事のミスをしたことに関して、上司から叱られた場合は無力さを抱いてしまいがちです。
仕事に対する自信を失うと、自己肯定感が下がりモチベーションが下がります。そのため、全体的にパフォーマンスが落ちます。
仕事に対してやりがいを感じられなくなる
仕事で迷惑をかけてしまうと「自分に適性な仕事ではない」「仕事に意義が感じられない」と不満をもらすようになり、仕事に対してやりがいを感じられなくなります。
ネガティブな思考に陥ると「どうすれば問題を解決できるのだろうか?」「どうすれば悩みを乗り越えられるのだろうか?」など物事を前向きに考えられなくなります。
職場の人の顔色を窺ってしまう
仕事でミスをすると、職場の人の顔色を伺ってしまいがちです。職場の人の顔色を伺ってしまう理由はさまざまですが、責任感が強い人は「本当に申し訳ないことをした」と自責の念に駆られがちです。
一方で、自己中心的な人は「仕事でミスをしたから、上司や同僚からの評価が下がるのではないか?」と気にします。
職場の人の顔色を窺ってしまうため、スムーズに連携できなくなり生産性が落ちます。
仕事で迷惑をかけた人が立ち直る方法
仕事で迷惑をかけた人は落ち込んでしまうものですが、立ち直るためにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、仕事で迷惑をかけた人が立ち直る方法をご紹介します。
ミスを認める
まずは、仕事でミスが起きたことを認めることが大切です。
仕事のミスで迷惑をかけた人がいる場合は、心から謝罪の言葉を伝えましょう。誠意を持って謝罪することで必ず良い方向へと進めます。
仕事で同じミスを繰り返してしまう人は、自分のミスを認めず、責任の重大さを自覚していない人たちです。そのため、同じミスをしたくない場合は、ミスを認めましょう。
ミスの原因を特定して対処法を学ぶ
次に仕事でミスをした原因を特定します。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのようにした」をまとめましょう。その上で、どうしてミスが発生したか原因を考えていきます。原因を特定したら、各原因に対して具体的な改善策を考えていきましょう。
仕事をミスした直後は慌ててしまうものですが、原因特定は落ち着いて客観的に考えることが大切です。そのため、感情が落ち着いてから考えるようにしましょう。
また、上司や同僚にもサポートしてあげることで、どのように対処すればよいかわかるようになります。
業務のサポートを受ける
仕事のミスの内容次第ですが、業務に不安を感じている方には業務のサポートをしてあげることが大切です。
例えば、仕事を終えた後に上司や先輩にダブルチェックをしてもらうなどサポートを受けることでミスを防げるようになります。
仕事のミスで大きな損害を出した場合は、自信が失われてしまいがちです。そのため、周囲がサポートしましょう。
仕事で迷惑をかけた人の退職による影響
仕事で迷惑をかけたを理由とした退職を防げないと企業にも悪影響を及ぼすため注意しましょう。ここでは仕事で迷惑をかけた人の退職による影響をご紹介します。
会社の悪口をSNSに投稿されてしまう
業務指導、フォローがないなど企業側にも問題がある場合は、退職後に会社の悪口を投稿されてしまう恐れがあります。
SNSに会社の悪口が投稿されてしまうと、その情報が拡散されて企業イメージが低下してしまいます。
インターネット上の情報はデジタルタトゥーとしても残って消せません。このようなリスクがあるため、仕事でミスした人を放っておくのではなく、フォローしたり、可能な範囲で協力してあげましょう。
新しい人を採用しても定着しない
業務指導、フォローがないなど問題がある場合、新しい人を採用しても定着することはありません。なぜなら、業務指導やフォローがないと、どのように優秀な人でも活躍できないためです。
そのため、人材マネジメントに問題があることを認識する必要があります。
人材不足で連鎖退職が起きる
業務指導、フォローがないなどの問題がある職場は人材が定着しません。そのため、常に人材不足に悩んでいます。人材不足の悩みが解決できず、従業員1人1人の業務負荷が重くなりがちです。そして、心身的に負担となり連鎖退職が起きてしまいます。
連鎖退職の恐ろしさについて知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『連鎖退職とは?組織が崩壊する末路から連鎖を止める方法まで解説』
仕事で迷惑をかけた人の退職を防ぐ方法
仕事で迷惑をかけた人の退職による影響を受けないためにも対策をしましょう。企業側で取り組める退職を防ぐ方法には、以下のようなものがあります。
人材マネジメントを強化する
企業側ができる取り組みは、管理職の意識改革です。
管理職に生産性を上げるためには、人材マネジメントが必要であることを自覚させましょう。また、人材マネジメントを行うためのスキルを習得させることも欠かせません。
とくに、部下に的確な業務指導やフォローができていない場合は、人的資本経営研修や経営戦略研修、心理的安全向上研修などの実施がおすすめです。
管理職の意識改革ができれば、部下に業務指示やフォローがきめ細かくできるようになり、部下が仕事のミスで悩まずに済むようになります。
ヘルプ手当を導入する
職場でハラスメントがあり、人間関係がギクシャクして業務フォローがされていない場合は、ヘルプ手当を導入すると助け合う文化が醸成できます。
人間関係が悪い職場だと「どうして、自分だけがサポートしているの?」と不満を持たれがちです。しかし、ヘルプ回数が多い人にヘルプ手当を支給すれば、そのような不満が出なくなります。
社外相談窓口を設置する
職場にハラスメントがあり、人間関係がギクシャクしている場合は、仕事の悩みを相談できる人がいないという悩みを抱えがちです。このような人の心理的安全を確保するために、社内相談窓口以外に社外相談窓口を設置することをおすすめします。
仕事で迷惑をかけた人の対応方法に関してよくある質問
最後に仕事で迷惑をかけた人の対応方法に関してよくある質問をご紹介します。
Q.同じミスを防ぐためにはどうすればいいですか?
同じミスを防ぐためには、本人にミスをしたことを認めて反省してもらい、原因の特定と解決策を考える必要があります。
解決策を決めたらマニュアルにして、全員が行えるようにすると、同じミスを減らすことができます。仕事に慣れるまでは、上司や先輩がサポートしてあげるようにしましょう。
Q.仕事で自信を失っている従業員の励まし方は?
仕事で自信を失っている従業員を励ましたい場合は、過去の成功体験を振り返って自信を取り戻してあげましょう。
その人が普段頑張っていることを褒めて、その人の会社の貢献度を認めてお礼を述べると自信を取り戻せます。仕事のミスは誰でもあること、今後の成長に期待していると伝えて励ましてあげましょう。
Q.仕事のミスを早く報告してもらう方法はありますか?
仕事のミスを早く報告してもらうためには、職場の心理的安全性を確保する必要があります。ミスを恐れずに挑戦できるような風土の醸成が欠かせません。
仕事のミスに関しても、失敗ととらえるのではなく、成長の機会ととらえて、それらを活かせるような支援を行いましょう。
まとめ
仕事で迷惑をかけたから退職の背景には、上司が業務指導、フォローをしてくれないことがあり得るかもしれません。このような場合、新たな人を採用しても定着することはありません。
また、退職を放置すると、SNSに会社の悪口が書かれてしまう恐れがあります。そのため、仕事で迷惑をかけたと悩む社員がいる場合は放置せずにフォローするようにしましょう。
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