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2023.3.7

若手社員の離職理由はゆるい職場!?職場を改善する5つの方法を解説

若手社員がホワイト企業の緩い職場を離職してしまうというニュースが注目を浴びています。なぜ、若手社員がゆるい職場を離職してしまうのでしょうか?この記事では、ゆるい職場を若手社員が離職する理由と改善方法をご紹介します。

<はじめに>
残業時間を減らしハラスメント対策に取り組むなど、労働環境を改善しているにも関わらず若手社員が離職してしまうと悩む企業が増えています。リクルートワークス研究所「大手企業新入社会人の就労状況定量調査」では、若手社員の36%がゆるい職場に不満を抱くという結果となり大きな話題を集めました。

働きやすい職場環境が整えているにも関わらず、離職する若手社員が増加しています。なぜ、ゆるい職場で働く若手社員は離職してしまうのでしょうか?今回は、ゆるい職場が若手社員の離職理由となる原因について解説します。

◆ ホワイトでゆるい職場なのに若手社員が離職!?


リクルートワークス研究所の調査結果によると、職場がゆるいと感じる若手社員が「すぐにでも退職したい(16.0%)」もしくは「2・3年は働き続けたい(41.2%)」と回答しています。

ゆるい職場で働く若手社員の半数以上が労働条件が良い環境であっても、3年以内に離職したいと考えています。この結果は、ゆるいと感じない職場よりも低いです。

ゆるい職場は成長を実感できなかったり、働きがいを感じられなかったりするため、若手社員が離職してしまうのです。したがって、若手社員の離職を防止するためには職場環境を改善する必要があります。

◆ ゆるい職場の特徴


そもそも、若手社員が離職してしまう「ゆるい職場」とはどのような環境を指すのでしょうか?離職防止に取り組むためにも、ゆるい職場の特徴に当てはまるか確認してみてください。

・ 業務でスキルを活かせない

ゆるい職場は業務でスキルを活かせない傾向があります。

残業時間を削減する取り組みとして、業務標準化を目的にマニュアルを作成する企業も増えてきました。その結果、誰でもマニュアルに沿えば業務をこなせるようになった一方で、スキルが活かしにくい環境になっているのです。

このような職場環境では「やりがいがない」「スキルアップできない」と感じてしまいます。

・ 責される機会が少ない

ゆるい職場で働く部下は、上司や先輩から叱責される機会が少ないです。その理由は、上司や先輩がパワハラ問題が心配で部下を叱れなかったり、部下に気を遣い過ぎてしまったりするためです。

その結果、部下を叱れない上司、先輩が増えて成長の機会を逃してしまいます。このような職場で働く部下は「成長が見込めない」と感じてしまいます。

・ リモートワーク中に放置される

ゆるい職場では、リモートワーク中に放置される場合があります。

リモートワークでは、お互いの状況が分かりにくいためコミュニケーションが減ってしまいます。

オフィス勤務のときは、お互いの状況が分かるため、自分の業務を終えた部下に追加の仕事が依頼できます。しかし、リモートワークでは相手の状況が分からず追加の仕事の依頼ができません。そのため、自分の仕事を終えた部下が手持ち沙汰になってしまうのです。

次の上司の指示が出るまでやることがない場合もあります。このような環境で働いているとリモートワーク中に放置されていると感じてしまいます。

◆ ゆるい職場が若手社員の離職原因となる理由


ゆるい職場が若手社員の離職原因になる理由を把握しておけば、対策方法が考えられるようになるため把握しておきましょう。ここでは、ゆるい職場が若手社員の離職原因となる理由を紹介します。

・ キャリア形成が見込めないため

ゆるい職場では「このまま働き続けてもキャリア形成が見込めない」と若手社員が感じてしまいます。若手社員は理想のキャリアが叶えられる職場で働きたいと思っているため、転職を検討し始めてしまいます。

例えば、ルーティンワークばかり担当している社員の場合、成長の実感が得られずに不満を抱いてしまうかもしれません。このように、スキルアップが見込めず今後のキャリアを描けない環境では若手社員が離職してしまいます。

・ 社会に取り残される不安を感じるため

終身雇用が崩壊して、長く働き続けるために個のスキルを伸ばしたいと考える人が増えました。そのため、成長を実感できない職場で働き続けることに不安を感じる若手社員が増えてきているのです。

若手社員は「他社に転職したくなった際に、自分の実力が通用しなくなるかもしれない」と考えて不安を感じます。そのため、スキルアップができて、経験を積める職場を求めているのです。

・ 同級生に差が付けられるため

周りの同級生や知人と比べ差を付けられている焦りや不安が湧くと、「この会社で働き続けて良いのだろうか?」と離職を検討し始めてしまいます。

例えば、大学時代の同期が裁量の大きい仕事を任されていたり、出世して昇給していたりする話を聞くと差を感じて焦りが生じます。

このように若手社員が「今の環境で働いていたら、周りと差が付いてしまう」という不安を抱き始め、活躍できる場を探して離職してしまうのです。

◆ 若手社員の離職原因「ゆるい職場」を変える方法

ゆるい職場に不満を抱いている若手社員の離職を防ぐためには、満足して働ける環境を提供する必要があります。ここでは、ゆるい職場を変える5つの方法について紹介します。

・ 1on1ミーティングを実施する

すべての若手社員がゆるい職場に不満を抱いているわけではありません。そのため、1on1ミーティングを実施し、社員がどのようなキャリアを目指しているのかを把握しましょう。

「プライベートまたはキャリアップのどちらを重視して働いているか」「将来どのような業務に挑戦したいか」などを質問して聞き出します。若手社員の希望するキャリアが把握できれば、支援することで離職を防止できます。

1on1ミーティングのやり方を知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

関連記事:『1on1ミーティングの目的とは?キャリア支援につながる正しい手順を紹介

・ 意見ボックスを設置する

若手社員が抱える悩みを吸い上げるために、意見ボックスの設置を検討しましょう。その理由は、対面では意見を出しづらい場合もあるためです。

ゆるい職場に不満を感じていても、直接上司や人事部に相談しづらいという社員もいます。「周囲にどう思われるか不安」という社員も、匿名であれば気軽に意見を出しやすくなるはずです。

そのため、意見ボックスを導入して、社員の意見やアイデアを取り入れるようにしましょう。

・ ビジネスコンテストを主宰する

社内での新規事業コンテストを開催すれば、若手社員が自ら考えて行動し挑戦できる場を提供できます。
ビジネスコンテストへの参加を通じて若手社員の当事者意識を育てれば、仕事にやりがいを感じられるようになるでしょう。
また、ビジネスコンテストで優勝したら、プロジェクト責任者に任命するなど仕組みを創ることでイキイキと働ける職場づくりができます。

・ ポスト公募制度を採用する

ポスト公募制度を導入すれば、ゆるい職場でのキャリア形成の不満を解決できます。ポスト公募制度とは、空いているポストに就きたい社員を社内で募集し選考する制度をいいます。

会社側が登用する人材を決める人事異動とは異なり、ポスト公募制度は社員の希望による異動です。やりたい仕事に自ら立候補できるため、社員がモチベーションを高く保って働けるメリットがあります。

・ 職場外でスキルを磨ける場を提供する

若手社員のゆるい職場に関する不満を取り除くために、社外でスキルを磨ける場を提供しましょう。例えば、副業や兼業など多様な働き方を推進する取り組みが挙げられます。

副業などで身に付けたスキルや経験は、本業で相乗効果を生み出す可能性もあります。そのため、社外で身に付けたスキルを社内で活かせる仕組みをつくれば、従業員も働きがいを感じられるでしょう。

◆ 若手社員が活躍している企業事例3選

若手社員が離職する原因となっているゆるい職場を改善する方法について説明してきました。実際に、企業ではどのような取り組みを実施しているのでしょうか?最後に、若手社員が活躍している企業事例をご紹介します。

・ Apple


出典元:『Apple 公式サイト
Apple Inc(アップル)は、社員のキャリアを保証しないと宣言していることで有名な企業です。

同社の特徴は、社員がスキルアップできる環境を提供し自律的なキャリア形成を支援していることです。
さらに、企業への貢献度が認められれば、株式交付などの報酬を支払う仕組みも整っています。

自身のスキルアップが正当に評価されて還元される制度があるため、従業員が意欲的に働けています。このように、スキルアップの支援を充実させることで、若手社員が意欲的に働ける職場を実現しています。

・ ユニクロ


出典元:『ユニクロ 公式サイト
株式会社ファーストリテイリングは、入社2年目で店長に起用している会社として人材育成方法に注目を集めています。早期に店長を育成できる理由は、入社後すぐに店長候補向けの研修を行っているためです。

また、従業員は店長候補として扱われることを理解した上で入社しているため、人材のミスマッチが起きにくいことも大きな特徴となっています。

若手社員でも店長になれるため、モチベーション高く仕事に取り組むことができます。

・ 日本マクドナルド


出典元:『日本マクドナルド 公式サイト

日本マクドナルド株式会社の店舗では、従業員のレベルに応じて5段階の階層が設定されています。

1.クルー
2.トレーナー
3.スター
4.スウィングマネージャー
5.マネージャー(店長)

入社時はクルーから始まり、意欲次第で次のポジションにステップアップできる仕組みです。

さらに、「ハンバーガー大学」という独自の専門機関を設けており、スウィングマネージャー以上の従業員に対して、店舗運営に関する知識を学習できる場を提供しています。

キャリアパスが明確化されているため、今後のキャリア目標を定めやすくくなっていることも大きな特徴です。このような取り組みで従業員の自発的な成長を促し、キャリア形成を支援している企業です。

◆ まとめ

働きやすい職場環境を整えるだけでは、社員に働きがいを与えられません。社員に働きがいを与えたい場合は以下に取り組んでみてください。

  • 1on1ミーティングを実施する
  • 意見ボックスを設置する
  • ビジネスコンテストを主宰する
  • ポスト公募制度を採用する
  • 職場外でスキルを磨ける場を提供する
  • この記事では、ゆるい職場環境を改善する方法をご紹介しているため、ぜひ参考に取り組んでみてください。

    また、 若手社員の職場に対するホンネを知りたい方は、ホンネインタビューシステム『いっと』をご利用ください。いっとは、第三者の専門家がお客様に代わって、従業員の “4つのホンネ” をヒアリングするサービスを提供しています。「若手社員が満足して働ける職場とは何かホンネを聞きたい」「取り組んだ施策の効果を測定するためにサーベイツールを導入したい」…とお考えでしたら、ぜひ『いっと』をご活用くださいませ。

    ホンネインタビューシステム『いっと』

    [参考資料]
    https://www.tis.amano.co.jp/gyomu_kaizen/2782/
    https://kigyo-kenshu.com/theme/compliance/hrm/3562/
    https://takasi2050.com/7265/
    https://dot.asahi.com/aera/2022083000024.html?page=1
    https://www.businessinsider.jp/post-252302
    https://asahi.gakujo.ne.jp/common_sense/morning_paper/detail/id=3412
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20221025-OYT1T50081/3/
    https://sony-startup-acceleration-program.com/article467.html#:~:text=%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A2,%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%82%92%E7%AB%B6%E3%81%86%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
    https://www.somu-lier.jp/column/in-company-recruiting/
    https://www.ashita-team.com/jinji-online/development/5528
    https://president.jp/articles/-/2229?page=2
    https://service-mgt.com/jinzaiikusei/#ttl-4

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