検索エンジンで「離職率 改善」と検索すると、タレントマネジメント系システムや、エンゲージメント向上システムの広告を多く目にします。
離職率改善に特化している様子ではありませんが、定量的な従業員分析をもとに、離職率の改善を図るという活用方法の記載がありました。
しかし、こと離職率改善をメイン目的にした場合、定量分析では「しっくりこないな…」というお話を人事の方からよく伺いますが、まずは離職率改善を考える際の【定性分析】と【定量分析】の違いについて、ご紹介したいと思います。
結論、どちらの分析方法も必要です。という話にはなるのですが、【定量分析】は画像の通り「現状や傾向を大枠で把握」する為の分析方法です。
その為、離職に対して “マクロ” な捉え方となり、定量分析のみだと、環境整備/福利厚生拡充などの「企業改善」に近い対策方法がメインとなってきます。
一方【定性分析】は、全体の傾向ではなく、個々の「要因や理由」を把握するための分析方法です。
その為、離職に対して “ミクロ” な捉え方をするので、離職理由の解決に直結する対策を行う事が可能となります。
しかし、大事なことは【定量・定性】どちらも大事であるという事です。
ではなぜ【定量・定性】どちらも大事なのかを説明するために、上記のような「離職者共通点を定量分析で検討」した事例をご紹介します。
縦軸に「在職年数」、横軸に「月間残業時間」を設定し、在職者と退職者情報を入れていれてみると、在職年数が若く、残業時間が多い人ほど、離職しやすいという【仮説】を立てることができます。
定量分析では、平均値である “赤線” に近付ける事が『離職率改善』の指標となりますが、この場合3つの懸念が生じます。
① 在職年数と残業時間が離職に影響するという “仮説” は正確であるか?
② 上記 “仮説” が正しい場合、離職者には2軸以外の特殊要因は存在しないか?
③ 特殊要因と “仮説” の相関性はどの程度あるか?
特殊要因の例として、退職者だけに共通する「業務内容や職場環境」などが想定されますが、これらを検証する為に、仮説や特殊要因を検証できる【定性的なアプローチ】が重要となります。
つまり、【定量分析】である程度、検証が必要な “検証事案” をあぶり出す事や、在職者へ【定性的なアプローチ】を行う場合、実施する “対象者” のリストアップを行うために、定量分析が必要となります。
このように、定量分析と定性分析は【相互補完】の関係性にあるため、離職対策にはどちらも非常に重要な分析方法となります。
その為、冒頭で挙げたような「しっくりこないな…」という感覚は、定量分析だけで対策を決めているので、離職理由に対してクリティカルな対策ができていない感覚が、どこか念頭にお有りなのかと思います。
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