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2025.3.18

退職の引き止めは違法?トラブル事例から交渉術まで解説!

退職の引き止め

「優秀な社員を引き止めたいけれど違法行為にならないのだろうか…?」「トラブルに発展させないために、どのような点に注意して退職の引き止めをすべきなのだろうか…?」と悩んでいませんか?

今回は退職の引き止めは違法行為に該当するのかについて解説します。この記事では、どのように引き止めをするべきかまで解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

退職の引き止めは違法

退職の引き止めは違法

退職の引き止めを強引に行うと違法行為となります。なぜなら、民法627条1項に退職の自由が定められているためです。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用:『e-GOV法令検索

民法には罰則が定められていないため、法律に違反しても罰金や懲役刑が科せられることはありません。しかし、退職者の権利を侵害したとして損害賠償を請求される可能性があります。

退職の引き止めを強引に行うとパワハラに該当

退職の引き止めを強引に行うことで、パワハラに該当してしまう恐れもあります。パワハラとは、次の3つを満たすものをいいます。

  • 優越な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
  • 労働者の就業環境が害されるもの

上司が退職届を受理しない、人事部が離職票を発行しないなどの行為はパワハラに該当してしまいます。企業は従業員が安心して働けるように配慮する安全配慮義務を負わなければなりません。ハラスメントに該当すると安全配慮義務の不履行として損害賠償請求されてしまいます。

退職の引き止めが違法となるケース

退職の引き止めが違法となるケース

退職の強引な引き止めは法律違反だと説明しましたが、どのようなケースが該当するのでしょうか?ここでは、退職の引き止めが違法となるケースをご紹介します。

新人が入るまで退職させない

人手不足の状況に陥っており、新人が入社するまでは退職させることはできないと退職を引き止めるのは違法行為です。労働基準法第5条に違反することになります。

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
引用:『e-GOV 法令検索

責任の大きな業務を任せていて他に引き継げる人がいない場合や、ギリギリの人数で退職されると仕事が回らなくなる場合もあるでしょう。しかし、このような状況に陥るのは企業側の責任です。そのため、会社側の都合で労働を強制しないように注意しましょう。

退職届を受理しない

退職をさせないために退職届を受理しないという態度も労働基準法第5条に違反します。

従業員は退職届を内容証明郵便で郵送して、会社が受領したことを証拠に2週間後に退職できます。

しかし、内容証明郵便で退職届を郵送すると「給与が支払われるのか」「退職金が支払われないかもしれない」と不安を募るものです。そのため、内容証明郵便ではなく労働基準監督署や総合労働相談コーナーで相談する方が多くいます。

会社の事情が労働基準監督署に知れ渡り行政指導が入ってしまいます。

損害賠償請求や懲戒解雇だと脅す

退職を引き止めるために「今辞めるなら損害賠償請求する」「転職が不利になるように懲戒解雇にしてやる」と脅すと労働基準法第16条に違反します。

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
引用:『e-GOV法令検索

退職者に金銭的な支援をしている場合は返還を求めてもよいとされています。しかし、退職が企業の損失になるからという理由で損害賠償は請求できないため注意しましょう。

離職票を発行しない

「離職票を発行しない」という嫌がらせは、退職を阻止する効果はなく、無意味な行為です。
退職者がハローワークで相談をすれば、ハローワークから離職票を発行するよう連絡が入ります。

それでも離職票を発行しない場合には、ハローワークの職権により離職票が発行されます。企業のイメージが低下するだけとなるため、離職票は発行するようにしましょう。

有給休暇の取得を認めない

退職することを理由に有給休暇の取得を認めないと、労働基準法第39条に違反してしまいます。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用:『e-GOV法令検索

有給休暇は労働者の権利で、休暇中に転職活動したり旅行したりするのは本人の自由です。有給休暇の取得を認めなければ、労働基準監督署や総合労働相談コーナーで相談されてしまうでしょう。そのため、退職予定者の有給休暇の取得は認めるようにしましょう。

給与の支払いを放棄する

退職者に対して「今月分の給与は支払わない」と放棄すると、労働基準法第24条に違反してしまいます。

賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
引用:『e-GOV法令検索

給与を支払わなければ罰金が科せられてしまいます。また、あまりにも悪質な場合は制裁を受け懲役刑が科せられることもあります。懲役刑が科せられることは滅多にありませんが、企業イメージも悪化してしまうため給与は支払うようにしましょう。

違法な退職の引き止めが招くトラブル

違法な退職の引き止めが招くトラブル

違法な退職の引き止めを行うと、企業側も次のようなトラブルに巻き込まれて損失を被ります。

慰謝料が請求される

退職を強引に引き止めて、相手側から不法行為だと訴えられて慰謝料が請求される恐れがあります。例えば、パワハラの慰謝料は被害の程度によりますが30~100万円程度です。

退職者が精神疾患になり、転職できなくなった場合は慰謝料が高額になります。

企業の評判が落ちる

退職を強引に引き止めてしまうと従業員にストレスがかかります。ストレスを蓄積させてしまうと、誹謗中傷などが起きやすくなります。

SNS上で企業の悪口を書かれたり、企業評判サイトで悪い口コミが書かれたりしてしまうでしょう。企業の評判が落ちると新しい人材が採用されなくなったり、ステークホルダーから取引を敬遠されてしまったりします。

従業員の士気が低下する

退職を強引に引き止めてしまうと社内に噂が広まります。なぜなら、退職希望者が心を許せる仲間に悩みを相談するためです。

また、企業評判サイトの悪い口コミを経由して知れ渡ることもあります。

「退職届を受理してもらえなかった…」「今退職するなら損害賠償を請求すると脅された…」という噂が流れてしまうと、従業員を大切にしてくれない会社だと貢献意欲が減退してしまいます。

労働基準監督署の調査対象となる

従業員が退職の意志を認めてもらえないことを労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談をすると、労働基準法や労働安全衛生法、最低賃金法などの労働関係法令に違反していないかチェックされます。

労働基準監督署の調査対象となった場合、次のような書類を用意しなければなりません。

  • 組織図
  • 労働者の名簿
  • 賃金台帳
  • 労働時間の記録
  • 時間外労働・休日労働に関する書類
  • 時間外・休日労働に関する協定届(控え)
  • 就業規則
  • 労使協定
  • 年次有給休暇取得状況の管理簿
  • 交付している労働条件通知書
  • 統括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者の選任状況に関する書類
    安全委員会・衛生委員会の設置と運営に関する書類
  • 産業医の選任状況に関する書類
  • 健康診断の実施結果

また、法律違反の行為は指摘されて是正案に従わなければなりません。是正案に従わなければ罰金が科せられてしまいます。

退職手続きが円滑に進まなくなる

退職者と関係が悪化してしまうと、退職手続きが円滑に進まなくなります。出社して来なくなる、音信不通になるなどの可能性もあり、業務の引き継ぎがされないなど損害が出てしまいます。

違法にならない!退者の引き止め方

違法にならない!退者の引き止め方

退者の引き止めで違法行為をすると大変な目に遭います。そのため、次のような流れで、退職の引き止めをしましょう。

<退職の引き止め方>

  • 退職届を受領する
  • 退職面談の実施日を調整する
  • 退職面談を実施して退職理由を聞き出す
  • 退職面談で転職先が決まっているかを確認する
  • 後日、条件を提示して退職を引き止める

より詳細の情報を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『退職面談における引き止め方は?条件提示の方法やタイミングを解説

まとめ

退職の引き止めを強引に行うと違法となります。なぜなら、民法627条1項に退職の自由が定められているためです。

  • 新人が入るまで退職させない
  • 退職届を受理しない
  • 損害賠償請求や懲戒解雇だと脅す
  • 離職票を発行しない
  • 有給休暇の取得を認めない
  • 給与の支払いを放棄する

このような行為をすると、企業の評判が落ちて従業員の士気が低下してしまいます。また、慰謝料を請求されてしまうでしょう。この記事では、退職の引き止め方までご紹介しました。そのため、優秀な社員や貢献してくれた社員を引き止める際にお役立てください。

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#退職面談