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プロの退職面談で人事データを蓄積し、戦略的意思決定に役立てる

同音同響の経営(企業文化に共感した同志の結束で企業を創り、成長させていくこと)を強みに、2040年には売上高1兆円の達成を目指すAZ-COM丸和ホールディングス。

2024年問題による輸送能力の低下が業界全体で懸念される中、同社は①ドライバーの安定確保②パートナー企業との連携強化③共配ネットワークの活用促進を通じて、輸送能力の向上を図っています。

これらの取り組みは実績として表れており、2015年の東京証券取引所市場第一部への上場以来、10年連続(2015年3月~2024年3月)で過去最高益を更新する快進撃を続けています。

「仲間づくり」を標榜して成長し続けるAZ-COM丸和ホールディングスの主幹事業会社である株式会社丸和運輸機関の人事企画部人事企画課の根津様と淀川様に、人事戦略と退職面談代行サービスを導入した背景をお伺いしました。

タレントプールを活用して意思決定を支援

―同志の結束で成長している印象が強いですが、御社の人事戦略についてお伺いできますか?

根津様: 東京証券取引所市場第一部への上場時から、外部の方に公表することもあり、中期経営計画を入念に策定するようになりました。その頃から、経営戦略や事業戦略を支えるための人事戦略はどうあるべきかを考え始め、経営と人事が連動するように人事データを蓄積し始めました。

会社の規模が大きくなり、縦割り組織となる中で、他部門と意思疎通が図りにくいことを課題に感じていたんです。「現場が求める人材を採用できているのか」「スキルや価値観を理解した上で適切に人材配置できているのか」など意思疎通を図りながら意思決定していくために、タレントプールを構築し始めました。

淀川様: 2022年10月にホールディングス体制に移行しましたが、丸和運輸機関が主体的に管理業務を行っています。

タレントプールを構築するために、各グループ会社、各部門に散らばっていたデータを集約することから始めたんです。個人情報、履歴書、人事考課、資格取得情報を収集して、データ日を合わせて一元管理することで求めている情報にアクセスできるようにしました。

「拠点を立ち上げる際に必要な資格を誰が保有しているのか?」「何名のパート・アルバイトを管理した経験があるのか?」といったデータを参考に最適配置につなげていきたいと思っています。

根津様:タレントプールに、従業員の価値観なども蓄積していきたいと思っているんです。

僕は人と話すのが好きなんですが、最近では、若年層を中心に多様な価値観を持っています。特にライフワークバランスは重要で、例えば、365日24時間稼働している物流センターでは、草野球したいのに土日休みが取れないとストレスを抱える子がいました。

このような価値観は、3年後や5年後で変わることもありますが、データに蓄積していき「どこで働きたいのか(就業エリア、居住地エリア)」「どのようなキャリアを築きたいのか」「仕事と私生活のバランス」などを考慮して人材配置を行い、1人ひとりにイキイキと働いてもらいたいと考えているんです。

根津様:弊社は物流拠点が269拠点(2025年3月時点)あり、全ての要望に応えられるわけではありませんが、可能な限り応えてあげたいと思っています。大きな物流センターだと数百名の従業員がいて10チームに分かれて働くといったこともありますが、物流センター長にもチーム編成を検討する際にデータを役立ててもらいたいなと思っています。

2040年問題に伴う新卒の採用難と離職防止が課題に

―素敵な取り組みをされていらっしゃいますが、人事企画部はどのような課題を抱えていらっしゃるのでしょうか?

根津様:少子高齢化による2040年問題は避けられません。年々、就活生の人数も減少していますよね。物流業界を希望する就活生も年度によっては2,000人から3,000人減少しており、2026年には1万人を切るか切らないかという状況となります。

業界希望者が少なくなっている中で、新卒採用の難易度が上がってきていると思うので、人材の流出を防ぐ努力が必要だと考えています。そのため、人事企画部のKPIとして離職率(定着率)を意識しているんです。

会社全体の離職率は他社と比較しても全く高くないのですが、新卒が離職率を引き上げている状況でした。新卒採用にコストをかけているのに、ボタンの掛け違いで離職されるのはもったいないと感じていたんです。

根津様:全ての希望を叶えられるわけではありませんが、職種や職群、異動希望など本人のライフステージやキャリアビジョンに合わせて自由に申告できる制度を設けています。

よくありがちですが、優秀な社員が異動する場合、部門長に引き止められて私たちまで声が届かないこともあるんです。そのため、人事部門に異動希望を直接伝えられる自己申告シートを用意しました。

例えば、職種は「事務職」「OP(オペレーション)職」「SD(サービスドライバー)職」と大きく3職種ありますが、「こういうことをやってみたい」と自己申告して頂ければ前向きに検討しています。タイミングが合わなくて希望が叶えられなかった場合でも、新たな拠点ができたタイミングで、こちら側から積極的に提案していますね。

淀川様:実際に、物流センターから広報職に異動した方、OP職から営業職に異動した方などもいますよ。

「不満」「ストレス」を取り除いて離職を防止したい

―人材の流出を防ぐための退職面談を代行した背景をお聞かせいただけますか?

淀川様:私たちは退職に至った原因を知ることは大切なことだと思っていました。離職の報告が上がれば、退職に至った原因を把握するために、可能な限り、現場に出向いて面談を行ってきました。

根津様: 退職者を裏切者扱いする職場が多いと聞きますが、退職者の声を聞かなければ職場の不満やストレスを取り除くことはできないと思っていたんですよね。

ただ僕たちの部署は人数が少ないため、人材育成や人材配置、人事評価の業務も兼務する中で、退職面談にリソースが割きにくいことに悩んでいました。

淀川様:全ての退職者との面談には対応できないため、退職届にアンケートを付けてみましたが、すごく形式的な回答しか得られませんでしたね。例えば「業務内容がそぐわなかった」と書かれていて「どんなところがそぐわないのか?」と全くわかりませんでした。

根津様:また、退職代行サービスがブームになってきていますよね。もう会社を退職することを伝えたくない方が増えてきているのかなと。

人事部門が客観的な立場に立って、第三者として聞くのが当たり前なのかなと思っていたんですけど、それすらも多分変わってきているのかなと。私たちに退職理由を言うのも面倒くさいという人も一定数いるんじゃないかなと思いました。

また、第三者だから拾える声もあると思い、退職面談代行サービスに興味を持ったんです。

プロによる退職面談でデータの量と質を担保

―エグジットインタビューいっと導入の決め手は何だったのでしょうか?

根津様:商談時に、退職面談レポートを見せていただいて想像以上にきめ細かかったことです。ここまで、まとめてくださるんだなと驚きましたね。僕らも退職面談を行っていましたが、全く比べ物にならない濃密な内容でしたね。

淀川様:フォロアスさんに退職面談を行って頂いた方に「どうだった?」って聞く機会があったんです。その子が「本当に丸裸にされました」 と言っていて、プロがやるってこういうことだろうなて思ったことがありました。

退職面談レポートの角度が違いますし、内容もやっぱり深みがありますね。会話の流れが分かるようなレポートをくださるので、こういう理由だったんだなっていうのも非常にわかりやすいって感じています。

根津様:背景にあるものと退職する決め手が結構違うんだなと驚きました。退職する決め手は、僕たちがイメージしていたものと大して相違はないんですが、キッカケや背景にあるものは想像できないものばかりで。とても参考になりますね。入社のミスマッチで起きているものなのか、もしくはその先で起きているものなのか、時系列も含めてまとめてくれるので参考になります。

淀川様:離職者本人も気づいてない退職に至った背景まで深掘りしてくれて、データの量と質を担保できていて満足しています。

―ありがとうございます。レポートを見て想定外だったフィードバックとかございましたか?

淀川様:私たちは働く時間や深夜勤務が辛くて辞めていく子って結構多いのかなって思っていたんですよね。

長時間勤務が1つの原因だという風に捉えていたことって結構あったんですが、それが本質ではなくて「同じ業務ばかりでキャリアビジョンが描けない」「将来に迷いが生じてモチベーションが低下した」ことが根本的な課題だったと気づかされました。

そこはギャップとして感じたところです。働く意義とかを広めたり、キャリアパスの描き方を周知していきたいですね。

根津様:AZ-COMネットでは物流ネットワークを保有しているのですが、石川県の令和6年能登半島地震では支援物資をいち早く届けることができたんです。震災の関係とかで物流の重要性がより認知されてきて、エッセンシャルワーカーとして位置付けられてきており、弊社はBCP物流拠点も設けているので、そのような取り組みを周知していきたいですね。

―エグジットインタビューいっと導入における周囲の反応はいかがでしたか?

根津様:ポジティブな方が多かったと思っています。 経営者や部門長、センター長は退職者の声を聞いてみたいという意見をもらいました。

やっぱり自分たちに届く声と第三者目線の声って絶対違うっていうのは、みんなが思っているんだろうなとは思います。マネジメント層のメンバーからは特に好評でした。

―エグジットインタビューいっとの導入の感想をお聞かせいただけますか?

淀川様:私は退職面談を自己流で行ってきました。自分なりにストーリーを組み立てて、こういう順序で聞いていこうと取り組んでいましたが、やっぱり話の流れで変わっていったりするじゃないですか。

そして、これ聞かなきゃいけなかったのにと後から悔やむことがありました。面談のプロにお任せすると、想像以上にきめ細かく聞いてくださるんですよね。

エグジットインタビューいっとさんの退職面談の研修を1回受けてみたいと思うぐらいです。退職面談のポイントとか知りたいですね。

淀川様:退職面談って全員が受けてくれるわけではありません。中には、退職面談が面倒くさいと思う人もいますね。ですが、キャリア支援のプロフェッショナルだからキャリアの相談をしてみたらと伝えることで、退職面談を受けてくれる人が増えましたね。

退職者は新しい道に進む方が多いですが、決断したものがより良いものになってくれたら嬉しいです。

データを基にトライ&エラーして組織を強化

エグジットインタビューいっとのレポート結果をどのように活かしていきたいですか?

根津様:退職面談データの件数が増えてきたので、まず全体の傾向としてどういうこう状態にあるのか把握していきたいなと思っています。そしてトライアンドエラーしながら職場改善、組織づくりをやっていきたいですね。中には経営陣の力を借りなければならず、人事企画部だけで解決できないものも多いですが、時間をかけずにやりたいです。そのため、一気通貫でお任せできればと思っていますね。

―最後に、御社のように従業員1人ひとりがイキイキと働ける企業文化を浸透させるコツを教えて頂けますか?

淀川様:入社後に企業文化を大切にしていることを教えたりもしているんですけど、採用の段階から全面に押し出しています。なので、企業文化に共感して入社してくれる社員が多いため浸透しているんだと思いますね。人に惹かれて入社してくることが多いんですよね。

根津様:新卒採用では、センターで働いている人、夜勤業務の経験がある人、異動経験がある人とコミュニケーションを取れる場を設けています。最近の学生さん達は会社選びを慎重にしますよね。そのため、僕たちは現場で働く人の生の声を届けたいなと思っているんです。

このような取り組みの効果なのか、先輩に惹かれて入社したということが多いんですよ。一緒に働く人が魅力的だったというのは一定の評価がありますね。そこに、自分自身の価値観に合った働き方もできるという、より良い職場づくりをしていけたらと思っています。

#導入事例 #退職面談

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