部下の業務を評価しなければいけなくなり、良い評価を伝えることには抵抗がないけれど、悪い評価を伝えることに戸惑っていませんか?このような不安を取り除くためにも、フィードバック面談の手順やコツを覚えておきましょう。この記事では、フィードバック面談の行い方をご紹介します。
目次
フィードバック面談とは
フィードバック面談とは、人事評価の結果を伝えて、改善点や今後の計画を話し合う面談をいいます。
各企業によって異なりますが、賞与が支給される前などにフィードバック面談を実施することが多いです。四半期や半期の一定期間の部下の業務を評価して、その上で気づきやモチベーションを与えていきます。
フィードバック面談を行う目的
フィードバック面談には3つの目的があります。
事業目標を達成するため
1つ目が事業目標を達成するためです。
事業目標を達成するためには、部下を育成して競争力を上げていかなければいけません。
フィードバック面談では、上司が部下に「どのような目標を掲げているのか?」「その目標を達成するために、どのように成長していけばよいのか?」を伝えていきます。これらを共有して、同じ方向を向いて頑張ることで事業目標を達成していくことができます。
部下のモチベーションを上げるため
2つ目が部下のモチベーションを上げるためです。
部下の仕事における貢献度を適切に評価して、給与や待遇に反映させれば「仕事を頑張れば正当に評価してもらえるんだ」と実感してもらえます。また、上司が自分の働きぶりを見てくれているという安心感も芽生え、帰属意識を高めることも可能です。
さらに、フィードバック面談では、今後の目標を共有するため「次も頑張って成果を出そう」と仕事に対して意欲を出してもらえるようになります。
部下のモチベーションを上げる動機付けについて知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『部下のやる気を引き出す動機付け!6つの効果的な方法を紹介』
生産性を上げるため
3つ目が生産性を上げるためです。
部下が率先して行動するようになると、指示通りに仕事をこなすだけでなく「より良い仕事をするためには、どうすればよいのか?」と率先して行動するようになります。
また、ポジティブな気持ちを持てるようになり、スキルアップのために色々なことに挑戦できるようになります。それだけでなく、上司と部下の信頼関係を深める場となり、仕事の相談がしやすくなるため業務が円滑に回るようになるのです。
部下との信頼関係を深める方法を詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『上司ができる部下と信頼関係を築く方法とは?心得や仕組みまで解説』
フィードバック面談の手順
フィードバック面談は、以下の手順で進めていきます。
- 事前準備を行う
- アイスブレイクをする
- 部下に自己評価をしてもらう
- 部下に人事評価を伝える
- 今後の目標などについて話す
ここでは、各手順について詳しく解説します。
事前準備を行う
まずは、フィードバック面談の事前準備を行いましょう。
[準備するもの]
- 部下の業務に対する評価結果
- 部下が抱える課題と根拠
- 部下が抱える課題に対するアドバイス
これらの準備を疎かにしてしまうと、部下は上司の評価に納得ができず不信感を募らせてしまいます。そのため、入念に準備をするようにしましょう。
アイスブレイクをする
フィードバック面談の当日は、まずアイスブレイクをします。
なぜなら、部下は「半年に1度ある人事評価を受ける日だ…」と緊張してしまうためです。面談の堅い雰囲気を和らげるために、アイスブレイクをしましょう。アイスブレイクのネタに悩んだら「木戸に立ちかけし衣食住」を参考にしてみてください。
[木戸に立ちかけし衣食住]
- 木(気象):梅雨に入ったね
- 戸(道楽):ゲームが趣味なんだけど、〇〇さんは好き?
- に(ニュース):駅近くのデパートがオープンしたけど行った?
- 立(旅):今度、旅行を計画しているんだけど、どこかおすすめある?
- ち(知人):退職した〇〇さんの結婚式は素敵だったね
- か(家庭):〇〇さんのお子さんは何歳だったっけ?
- け(健康):最近太ってきたんだけど、何かおすすめのダイエット方法ある?
- し(仕事):仕事の調子はどう?
- 衣(衣類):〇〇さんはオシャレだけど、どこで洋服を買っているの?
- 食(食事):駅近くのラーメン屋さんに行ったことある?
- 住(住まい):1人暮らししているんだけど、物価上昇はつらいよね。
部下に自己評価をしてもらう
アイスブレイクを終えたら、部下に自己評価をしてもらいます。
部下の人間性などで、想像以上に評価が高かったり低かったりするかもしれませんが、口を挟まずに最後まで話を聞くようにしましょう。話を聞きながら、自分に自信があるタイプなのか、自分に自信がないタイプなのかを見極めることも大切です。部下を知る機会だと考えて傾聴するようにしましょう。
部下に人事評価の結果を伝える
次に部下に人事評価の結果を伝えていきます。部下の自己評価と結果が異なることもあるかもしれません。その差がどこにあるのか、部下に気づかせてあがることが大切です。なぜなら、部下に気づきを与えて成長を促すことが、フィードバック面談の目的だからです。
部下に人事評価の結果を伝えるときは根拠を示すなど、相手が納得できるように話すようにしましょう。
今後の目標などについて話す
人事評価の結果を伝えたら、今後の目標について説明して、その上で部下に期待したいことを伝えます。事業目標を達成するために、どのように成長すべきかを伝えることも大切ですが、部下のキャリア形成のために話すことも忘れないようにしましょう。
フィードバック面談でマイナス面を伝える方法
フィードバック面談では、部下にマイナス評価をしなければいけないケースもあります。マイナス評価を下すときに部下を傷つけず、納得してもらうための伝え方を覚えておきましょう。
事実を根拠に話す
フィードバック面談でマイナス面を伝える場合は、事実を根拠にして話すようにしましょう。なぜなら、自己評価より悪い結果をすぐに受け入れられない部下がいるためです。「なぜ、そのような評価をしたのか?」と根拠を具体的に伝えることで部下から理解が得られやすくなります。
サンドイッチ話法で話す
自己評価より悪い結果を伝えるときは、サンドイッチ話法を使うようにしましょう。
サンドイッチ話法とは「褒める」→「叱る」→「褒める」の流れで話す方法をいいます。部下を褒めた上で改善点を伝えることで、部下が話を受け入れやすくなります。
行動の改善を求める
部下に悪い評価を伝える場合は、相手の人格を否定せずに行動の改善を求めるようにしましょう。相手の人格を否定をしてしまうと、パワハラやセクハラの対象になる恐れがあります。また、部下から反感を買われてしまいます。そのため、相手の人格を否定するようなことは控えましょう。
有意義なフィードバック面談を行うコツ
有意義なフィードバック面談を行いたい場合は、日頃から部下とコミュニケーションを取っておき、信頼関係を作っておくことが大切です。なぜなら、強い信頼関係が築けていれば、部下から本音を聞く機会となるためです。
また、自己評価より悪い評価を伝えなければいけない場合でも「上司は自分の成長を願って言ってくれているんだ」「本当は悪い評価がしたくないだろうから、頑張らないと」と思ってもらえるようになります。そのため、有意義なフィードバック面談のために、日頃から部下とコミュニケーションを取るようにしましょう。
まとめ
フィードバック面談は、部下の仕事に対する意欲を上げて生産性を上げていくために行うものです。
フィードバック面談を適切な方法で行わなければ、部下に納得してもらえず、上司と部下の信頼関係が壊れてしまったり、仕事に対する意欲がなくなったりしてしまいます。そのため、フィードバック面談の正しい方法を理解しておきましょう。この記事では、フィードバック面談のコツまでご紹介しているため、面談のやり方を見直してみてください。
また、従業員が人事評価に対して満足しているのか、本音を聞いてみたいこともあるでしょう。そのような場合は「エグジットインタビューいっと」まで、ご相談ください。