Exit interviewエグジットインタビュー

2023.6.27

従業員が退職する前兆を解説!対処方法を把握して離職を防ごう

今回は従業員が退職する前兆をレベル別(軽度・中度・重度)でご紹介します。各状況に合わせた対処法まで解説しているため、退職予備軍を引き止めることができるようになります。ぜひ、離職防止の施策を打ちたいと考えている方は、この記事を参考にしてみてください。 

(はじめに)

採用難の時代を乗り切るために、既存社員に長く働いてもらいたいと離職防止に取り組む人事担当者が増えてきました。この記事を読んでいる方は、退職者を出さないためにも、退職予備軍の従業員を見つけてケアをしたいと思っているのではないでしょうか?

そのような方向けに、今回は従業員が退職する前兆ついて解説します。退職の前兆を察知したら、どのように対処していけばよいかまで解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

[軽度]従業員が退職する前兆

従業員が職場環境に不満を持ち始めたら見せる前兆について解説します。 

仕事の不満を零す

従業員が職場環境に不満を持ち始めたら、愚痴を零し始めます。

日本労働組合総連合会の独自調査では、仕事の不満として「賃金が低い(32.9%)」「人間関係が良くない(18.1%)」「会社の将来が不安(16.0%)」などが挙げられています。

実際に「一生懸命に働いていて会社の業績にも貢献しているのに、給与に反映されない…。こんな会社やめてやる。」という発言を聞いたことがある人もいるでしょう。このような発言をする人が退職する可能性は極めて低いです。なぜなら、このような人は仕事に居続けるために、愚痴をこぼしてストレスを発散しているだけであるためです。

対処法

仕事の不満を零すような従業員を見つけたら、相手の話に耳を傾けて聞いてあげるようにしましょう。そして、相手が抱えているストレスを発散させてあげることが大切です。

相手の愚痴を聞く場合は「大変だね。私も似ているような経験をしたことがあるよ。」など共感するようにしましょう。仕事の愚痴に対しては、まず相手の感情に寄り添うことが大切です。その後に、職場の不満な点を聞き出して解決してあげるようにしましょう。

 

会議での発言が減った

会議で積極的に発言をしていた従業員が全く意見を述べなくなった場合は、他に興味があるものを見つけてしまった恐れがあります。なぜなら、そのことが気になってしまい、会議に集中できなくなるためです。会議のメモを取るフリをして、他のことを考えているかもしれません。

従業員が別のことを考えると業務に集中できなくなり、生産性が落ちてしまいます。

対処法

発言の回数が減った従業員は、1人で悩みを抱えている恐れがあります。このような場合は、相手と少しずつ距離を縮めていくようにしましょう。

初めは軽い挨拶から始め、徐々に話す機会を増やしていきます。相手に興味を持って「〇〇さんは休日って、どんなことをして過ごすの?」「僕は旅行が好きなんだけど、〇〇さんも好きですか?」など、相手が興味を持ちそうな話題を提供して、相手から悩みを打ち明けてくれるまでオープンな気持ちで待つようにしましょう。

笑顔を見せる回数が減った

従業員が職場で笑顔を見せる回数が減ったら、深刻な悩みを抱えている恐れがあります。笑顔が減る理由はさまざまですが、仕事のプレッシャーが大きくなって緊張や責任に押しつぶされてしまいそうな場合や、職場の人と仲が悪く悩んでいる場合に笑顔が減るケースが多いです。このような悩みは1人で抱え込ませないようにしましょう。

対処法

笑顔を見せる回数が減って、明らかに元気ではない従業員を見つけた場合は「最近、元気がないけど何かあったか?」と気にかけてあげましょう。

従業員の悩みは、仕事ではなくプライベートであることも多いです。もし、プライベートの悩みを抱えているときも「仕事とは関係ない」と切り離すのではなく、じっくりと話を聞いてあげるようにしましょう。

[中度]従業員が退職する前兆

次に転職活動をし始める従業員に見える退職の前兆をご紹介します。

他にやりたいことがあると発言する

「他にやりたいことがある」と発言し始めたら、今の仕事に対する嫌気がピークに達してしまっています。

仕事に対する嫌気は、ルーティン業務の繰り返しで情熱が薄れてしまったり、労働環境が悪く働き続けることで生まれます。また、努力をしても給与や賞与などの待遇に反映されないなども嫌気がさす原因です。このような嫌気がピークに達したら「他の会社で働く」という気持ちが芽生え、転職活動を始めていきます。

対処法

「他にやりたいことがある」と発言した従業員に対しては、「〇〇さんが、他にやりたい業務があると話していたけれど、どのようなことをやりたいのですか?自社でキャリア支援をさせてください。」と伝えましょう。今の会社でも、本人が希望する仕事ができると説得することが大切です。

遅刻・早退が増えた

従業員が遅刻・早退するようになったら、転職活動を優先しているかもしれません。転職活動の面接は、面接先の営業時間に行われていることが多く、業務より転職活動を優先すると遅刻や早退が増えます。

誰でも遅刻や早退をすると、周囲に迷惑がかかると理解しているはずです。それにも関わらず、そのような配慮ができなくなっている人は退職に気持ちが動いていると考えた方が良いでしょう。

対処法

遅刻・早退は、企業の規則、秩序を乱す行為です。そのため、企業側は従業員に注意・指摘をしましょう。従業員に指摘をする場合は、周囲の人に聞かれないように1対1で行います。

また、遅刻や早退をする理由には、センシティブな事情を抱えていることも少なくありません。そのため「遅刻や早退をしているけど、何か悩みを抱えていないか?自社で手助けできるか、話を聞かせてくれないか?」と相手に気遣いを見せつつ原因を探っていきましょう。

人事評価後に仕事のモチベーションが下がった

人事評価後に仕事のモチベーションが下がった従業員は、転職活動をし始めるでしょう。なぜなら、「一生懸命に働いていて会社の業績にも貢献しているのに、給与に反映されない…。」と大きな不満を抱いているためです。

日本労働組合総連合会の独自調査では、仕事の不満として「賃金が低い(32.9%)」が第1位となるほど、努力が待遇に反映されないことは大きなストレスとなります。

対処法

人事評価後に仕事のモチベーションが下がった従業員を見かけたら、従業員アンケートを実施するようにしましょう。「待遇」「労働環境」「仕事内容」「人事評価」「労働時間」などに関して質問して、不満点がないかを確認していきます。

そのアンケートを結果に職場改善をしていけば「職場環境は改善されつつある」と従業員も前向きに仕事に取り組めるようになります。

仕事中に私用電話に出ている

仕事中に私用電話に出るようになったら、面接先や転職エージェントと連絡を取っている可能性があります。先方が仕事中であると理解しているにも関わらず連絡してきているということは、最終選考の連絡や内定通知の連絡と考えて問題ないでしょう。

そのような連絡が入ってくると、従業員はソワソワして業務時間に席を外して電話に出てしまいます。

対処法

仕事中に私用電話に出ている従業員を見かけたら、上司と従業員の関係にもよりますが、一緒に飲みに行くとよいでしょう。

その場で「プロジェクトが成功したのは、〇〇さんのおかげなんだよ。〇〇さんのリーダーシップ能力にはいつも助けられている。ありがとう。これからも宜しく。」など、他社に転職されないように関係を深めるようにしましょう。関係を深めていけば、業務時間に電話に出るなどの行動を控えてくれるようになります。

[重度]従業員が退職する前兆

次に他社から内定をもらい、退職の手続きを進める段階の従業員の言動をご紹介します。

デスクの上がキレイになった

普段、デスクの上が散らかっている従業員が整理整頓をし始めたら、退職に向けて動いているのかもしれません。スムーズに退職できるように、デスクを片付けて、不要な荷物を持って帰っていることが多いです。

対処法

デスクの上がキレイになって退職の前兆に気づいて、強引に引き止めないようにしましょう。この段階での引き止めは手遅れのため、相手の転職を応援する気持ちを持ちましょう。相手の転職を応援して良好な関係を構築することの方が大切となります。

引継ぎ業務のマニュアル書を作成し始めた

上司が指示していないにも関わらず、引継ぎ業務のマニュアルを作成しているのは円満退職をするためです。転職先の入社日までに引継ぎを済ませたいとマニュアルを作成しているのです。「お世話になって会社と円満退職をしたい」「引き継ぐ相手に迷惑をかけたくない」という気持ちで、このような行動を取っています。

対処法

引継ぎ業務のマニュアルを作成してくれたことに感謝の気持ちを伝えましょう。退職が決まっている人を強引に引き止めても良い関係は構築できません。近ごろは、退職した人を再雇用する動きも出てきました。そのため、従業員と良好な関係を築くことに専念しましょう。

まとめ

今回は、従業員が退職する前兆をレベルに応じて紹介しました。また、予兆が見られた従業員に対する対応方法もご紹介しました。退職者を出さないためにも、退職予備軍の従業員を見つけてケアをしてあげましょう。ぜひ、この記事を参考にして、退職予備軍の従業員をケアして離職防止をしてみてください。

また、退職者が出た場合は、職場の不満点を聞いて改善することが大切です。退職者の本音を聞き出したいという方は、ぜひ「エグジットインタビューいっと」を活用してみてください。

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