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2025.5.15

退職の切り出し方と言い方とは?円満退職するためのコツを解説【例文付き】

退職の切り出し方のタイミングと言い方

退職を切り出したいけれど、どう言えばいいか分からない。退職に不安を感じてしまうのは当然のことです。上司への伝え方やタイミング、引き止めへの対応など悩みは尽きません。

そこで、この記事では、円満退職を目指すための切り出し方と言い方のコツをご紹介します。新しい生活の第一歩を踏み出す際にお役立てください。

【関係性別】退職の切り出し方のタイミングと言い方

【関係性別】退職の切り出し方のタイミングと言い方

誰にどのタイミングで退職の意志表示をするかによって、その後の人間関係に影響します。

「家族」「上司」「同僚」「取引先」と伝える相手によりタイミングや伝え方が変わるため、覚えておくようにしましょう。ここでは、関係性別の退職の切り出し方のタイミングと言い方をご紹介します。

家族

転職を考えた時点で、家族に相談することが大切です。

家族に相談せずに転職活動を行うと後々トラブルの原因になる可能性もあります。転職は本人だけでなく、家族の生活にも影響を与える転機です。

勤務地や年収、企業の安定性、転勤の可能性などについて話し合い、お互いの希望や条件を擦り合わせましょう。お互いが納得できる転職活動であれば応援してもらえるようになります。

上司

職場では最初に直属の上司に伝えるのが基本です。

同僚や他部署の人に先に話すのはマナー違反とされ、職場の混乱を招く可能性があります。

また、直属の上司を飛び越えて人事担当者や役職者に伝えると上司の立場を悪くしてしまう恐れがあります。そのため、最初に直属の上司に伝えるように心がけましょう。

上司に伝える際は、いきなり本題に入るのではなく「ご相談があるのですが」といった切り出し方で、面談の時間を設けてもらいます。

同僚

同僚に退職の話をするのは、会社側から退職の承認が下りた後が望ましいです。承認が下りる前に話してしまうと、社内で噂が広まり混乱を招く恐れがあります。

タイミングを誤ることで、自身の評価にも影響を与えかねません。そのため、承認が下りる前までは原則として同僚には伝えてはいけません。

同僚との関係を円満に保ちたい場合は、退職が正式に決まってから感謝の気持ちを添えて伝えるようにしましょう。

取引先

取引先へ退職の報告は社内での正式な手続きが完了した後に行うのが基本です。フライングで伝えてしまうと、会社としての対応が後手に回ったり、信頼関係に影響が出る可能性があります。

取引先に対しては、後任の担当者の紹介や今後の対応について伝えることで、安心感を持ってもらえます。これまでの感謝の気持ちを添えつつ、丁寧に対応するようにしましょう。

【理由別】退職の伝え方・言い方の具体例

【理由別】退職の伝え方・言い方の具体例

退職を切り出す際には、伝え方によって相手の受け止め方が大きく変わります。そのため、相手への配慮を忘れずに言葉を選ぶことが重要です。

ここでは、退職理由別の伝え方をご紹介します。円満退職したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

転職で退職する場合

転職で退職する場合は、前向きな理由と感謝の気持ちをセットで伝えるのがポイントです。

例えば「キャリアアップのため」や「新しい環境で成長したい」といった前向きな動機に加え、これまでの感謝を伝えると丁寧な印象になります。

<具体例>
今後のキャリアについて考えた結果、自分自身の成長のために新たな環境に身を置きたいと思い転職を決めました。

突然のことでご迷惑をおかけするかもしれませんが、感謝の気持ちを込めて、最後まで責任を持って業務を務めてまいります。

今後の業務の引き継ぎやスケジュールについて、あらためてご相談させていただければ幸いです。

独立で退職する場合

独立で退職する場合は、将来の目標を前向きに伝えることが大切です。今の環境で得た経験への感謝を示すことが円満退職しやすくなります。

<具体例>
かねてより温めていた事業構想を実現するため、独立という道を選ぶことに致しました。

これまでご指導いただいた経験が、自分にとって大きな財産となっています。本当にありがとうございました。

今後の引き継ぎや業務調整について、ぜひご相談させていただければ幸いです。

結婚で退職する場合

結婚で退職する場合は、家庭環境の変化や転居などの理由を率直に伝えることがポイントです。

曖昧に濁すよりも事情が伝わりやすく、理解されやすくなります。また引き継ぎへの協力姿勢を添えることで誠実な印象を与えられます。

<具体例>
この度、結婚を機に、引っ越しと生活環境の変化に伴い退職を希望させていただくことになりました。

これまで温かくご指導いただき、心より感謝しております。退職時期や引き継ぎに関しては、ご迷惑をおかけしないように対応させていただければと思います。

家庭の事情で退職する場合

家庭の事情で退職する場合、詳細を話さなくても問題ありません。

「やむを得ない事情」や「家庭の事情」だけで十分に伝わります。詮索されたくない内容であれば、曖昧さを保ちながらも誠実な態度で伝えることが大切です。

<具体例>
家庭の都合により、やむを得ず退職させていただくこととなりました。これまで多くのことを学ばせていただき、心より感謝しております。

急なお話でご迷惑をおかけしますが、引き継ぎなど誠意をもって対応いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

体調不良で退職する場合

体調不良で退職する場合、詳細を語る必要はありませんが「治療に専念するため」と添えると伝わりやすくなります。医師の診断書は必須ではありませんが、実際に提示することで話がよりスムーズに進みます。

<具体例>
体調不良が続いており、医師とも相談した上で治療と療養に専念するため退職する運びとなりました。

これまで支えてくださった皆さまには、心より感謝しております。

急なご報告となり申し訳ありませんが、引き継ぎについてはできる限り誠実に対応させていただきます。

退職を切り出す前に準備すること

退職を切り出す前に準備すること

退職を円滑に進めるには、事前の準備が欠かせません。勢いだけで意思を伝えると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。ここでは、退職を切り出す前の準備について解説します。

上司にスケジュールを確認する

退職は重要な話のため、上司にアポイントを取って、話す時間を確保してもらうのが社会人としてのマナーです。

アポイントの取り方は、電話やメール、社内スケジューラーを活用して構いません。上司が忙しくない頃合いを図り「ご相談したいことがあるのでお時間をいただけませんか」と伝えましょう。

退職のフローを把握しておく

退職をスムーズに進めるためには、退職のフローを把握しておくことが大切です。

退職願をいつ出すのか、誰に伝えるのか、最終的な承認が下りるまでにどのくらい時間がかかるのかを把握しておけばトラブルや混乱を防げます。

可能であれば、過去に会社を退職した人に話を聞いてみるのもおすすめです。退職の流れや社内の雰囲気、注意点など、リアルな情報を得られることで不安も軽減されるはずです。

退職の引き止めにあった場合はどうするか考えておく

退職の意志を伝えた際、上司や会社から引き止められるケースは少なくありません。強い口調で説得されたり、「退職理由となった問題を改善するから残ってほしい」といった条件付きの提案をされることもあります。

そのような場面で戸惑わないように、引き止められる可能性を想定し、返答内容を準備しておきましょう。気持ちを整理しておけば、気持ちが揺らいだり押し切られることもなくなります。

退職を切り出し方・言い方の注意点

退職を切り出し方・言い方の注意点

退職を伝えるときにはタイミングや場所、言い方にも十分な配慮が必要です。ちょっとしたマナー違反が、信頼関係にひびを入れてしまうこともあります。そのため、退職の切り出し方や言い方の注意点も押さえておきましょう。

最低でも1ヵ月前に伝える

退職の意思は、最低でも1ヵ月前に伝えるのが社会人としてのマナーです。可能であれば、2〜3ヵ月前に直属の上司に相談するのが理想的です。余裕を持って切り出すことで、引き継ぎや後任調整もスムーズに進みます。

まずは、「ご相談したいことがあるのですが、お時間取れそうな日はございますか?」といった形でアポイントを取りましょう。この段階では、退職の話であることは伏せておき面談してもらいと伝えるとスマートです。

繁忙期を避ける

退職を切り出す際は、職場の繁忙期を避けることが大切です。上司や同僚に余裕がない時期に伝えてしまうと、話を聞いてもらえなかったり反発を招いたりする恐れもあります。

年度末や仕事納めなどは、避けた方が無難なタイミングです。落ち着いた時期を見計らって、冷静に話し合える環境を整えることが円満退職につなげられます。

周囲に情報が漏れない場所で伝える

退職の話は、静かな場所で1対1で行うのが基本です。会議室などの落ち着いて話せる個室を選びましょう。

居酒屋やレストランといったカジュアルな場は情報漏れにつながるため避けるのが無難です。

また、退職の意思を周囲に漏らす行動は控えましょう。退職の公表タイミングは、会社の指示に従うのが原則です。

退職を切り出した後のトラブルへの対処法

退職を切り出した後のトラブルへの対処法

退職の意思を伝えても退職がスムーズに進むとは限りません。上司からの引き止めや、周囲の冷たい対応、嫌がらせなど、思わぬトラブルに直面することもあります。このような場面でも焦らず冷静に対処することが大切です。

あまりに嫌がらせが酷い場合は、まず人事部に相談してください。それでも改善されない場合は外部の相談窓口を利用することをおすすめします。

・都道府県労働局
・労働基準監督署内の総合労働相談コーナー
・法テラス(日本司法支援センター)

一人で抱え込まず、外部の相談窓口の力を借りることが解決の近道です。

まとめ

退職を切り出す際は、「いつ」「誰に」「どこで」「どのように」伝えるかによって、職場との関係性や退職後の印象が大きく変わります。相手との関係性で言い方を工夫することで、トラブルを避け、円満退職につなげることができます。

また、退職フローなどを確認しておくことで退職の引き止めや嫌がらせといった予期せぬ事態にも冷静に対応できるようになります。
退職は新たなスタートの第一歩です。これまでの感謝を伝えながら、誠実かつ丁寧に対応して良い退職を目指しましょう。

 

もし、前職を退職した経緯と同じ経験をしたくない、不安を抱えている方はコンサルタントまで転職したい旨をご相談ください。

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