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2023.5.17

メンタルマネジメントとは?取り組み事例と効果、重要性を解説!

今回は、メンタルヘルスマネジメントについて解説します。この記事を読めば、メンタルヘルスマネジメントの重要性から取り組み方、事例まで把握できるようになります。従業員の健康維持、増進に注力したい方は、この記事を参考にしてみてください。

<はじめに>

従業員のメンタル不調による休職、退職は企業にとって大きな損失となります。そのため、従業員の健康維持や増進を目的にメンタルヘルスマネジメントに取り組む企業が増えています。メンタルヘルスマネジメントとは、どのように取り組むものなのでしょうか?今回はメンタルヘルスマネジメントについて詳しく解説します。 

◆メンタルヘルスマネジメントとは

メンタルヘルスマネジメントとは、従業員が鬱病や適応障害のような精神疾患に陥らないように、職場改善や悩み相談で心の健康をサポートすることをいいます。

職場でストレスを感じて、メンタル不調で休職や退職に追い込まれる人が増えました。このような背景から、2010年に厚生労働省は「職場における心の健康づくりの指針」を公表し、従業員のメンタルヘルスマネジメントの重要性を説きました。

また従業員の心の健康をサポートすることで、1人1人が能力を発揮しながら働けるようにもなります。そのため、経営陣や人事担当者が中心となり、メンタルヘルスマネジメントに取り組んでいきましょう。

◆メンタルヘルスマネジメントの活用方法

精神疾患に陥らないように、以下のようにサポートをしてあげましょう。 

≪メンタルヘルスマネジメントの活用方法≫

  • 従業員が働きやすい職場環境を構築する
  • 従業員のメンタル不調を早期に発見してケアする
  • 上司が部下の異変に気付き、サポートする
  • ハラスメント問題が発生しないように予防する
  • 時間労働にならないように気をつける 

◆メンタルヘルスマネジメントの重要性

メンタルヘルスマネジメントが重要な理由は、仕事で不安、悩みを抱えている人が増えて、心の不調による休職離職が増加しているためです。このような背景により、安全衛生法で50名以上の従業員を抱えている企業では、年1回のストレスチェックが義務付けられました。

ストレスチェックは産業医や保健師などの有資格者が行い、従業員のストレス状態を把握していき、必要に応じてケアしていく必要があります。

・メンタルヘルスマネジメントすべきストレス

メンタルヘルスマネジメントを行うために、従業員がどのようなものにストレスを感じるかを把握しておきましょう。

  • 上司に高すぎる目標を与えられてしまった
  • 上司の指示がコロコロと変わり対応するのが難しい
  • 上司が高圧的な態度で接してくる
  • 部下に指導しても仕事を覚える姿勢が見えない
  • 部下が時間にルーズで約束を守ってくれない 

このような状況でストレスを抱えるため、ストレスチェックで高い数値を出している従業員はケアをしてあげましょう。

◆メンタルヘルスマネジメントの効果

メンタルヘルスマネジメントに取り組むと、次のような効果が見込めます。

・従業員の離職を防止できる

メンタルヘルマネジメントに取り組めば、従業員の心の健康維持ができて、鬱病や適応障害などの精神疾患による休職、離職を防止できます。 

厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、メンタル不調により1ヶ月以上休業した労働者がいる職場の割合は10.1%になります。

10社に1社は従業員がメンタル不調になっている現状です。この調査結果からも分かるように、従業員がメンタル不調に陥るのは他人事ではありません。そのため、メンタルヘルスマネジメントに取り組むようにしましょう。

・生産性を上げられる

メンタルヘルスマネジメントに取り組めば、従業員のストレスを軽減できます。なぜなら、ストレスを感じている従業員を周囲がサポートすることで、悩みを解決してあげられるためです。

仕事に対する悩みがなくなれば、目の前の仕事に集中できるようになり、品質の高い仕事ができるようになります。その結果、生産性向上が目指せるのです。

・職場環境を整備できる

メンタルヘルスマネジメント上で、従業員の仕事に対する不満を聞く機会があります。仕事内容や人間関係など、従業員が職場環境のどのような部分に悩んでいるかを明らかにでき、この声を職場改善に役立てることで働きやすい職場が作れます。

・管理職のマネジメントスキルを磨ける

メンタルヘルスマネジメントの効果は、管理職のマネジメントスキルにより左右します。管理職が部下のメンタルの変化に速やかに気づいてフォローすることで、メンタル不調による休職、休業を防げるようになります。

メンタル不調の部下に教育をしても、成長が見込みにくいです。このようにメンタル不調は人材育成の効果にも影響するため、管理職はマネジメントスキルを磨くようにしましょう。

◆メンタルヘルスマネジメントの取り組み方

メンタルヘルスマネジメントの効果を知った上で取り組みたい場合は何から始めればよいのでしょうか?次にメンタルヘルスマネジメントの取り組み方をご紹介します。

・従業員のストレスチェックを実施する

従業員のストレス度合いを測定したい場合は、ストレスチェックを実施するようにしましょう。簡単なアンケートに回答してもらうだけで、ストレス度合いを測定できます。高い数値が出た従業員には産業医面談を受けさせるなどケアしてあげることで、メンタル不調による休職、退職を防止できます。

2015年に労働衛生安全法が改正されて、従業員50人以上の企業では年1回ストレスチェックが義務付けられました。従業員のストレス度合いを測定してケアすることが、企業側に求められるようになってきているため、定期的にストレスチェックを実施するようにしましょう。

・相談窓口を設置する

社内に相談窓口を設置すれば、仕事の悩みを相談しやすくなります。

相談窓口にはメンタルヘルスの知識を持った担当者を配置しましょう。また、社外の専門家と連携するなど万全のサポートで運営することが大切です。

相談窓口を設置したら、主な役割、目的、利用方法を周知して利用してもらうようにしましょう。

・メンタルヘルス研修を受講させる

従業員にメンタルヘルス研修をさせるのも効果的です。メンタルヘルス研修とは、心の健康を維持したり、ストレス対策するために必要な知識を学べる研修です。

企業側が従業員の健康に配慮することも大切ですが、従業員自身がストレス緩和に取り組むことも同じように大切です。セルフケアの重要性を理解してもらうためにも、メンタルヘルス研修などで啓蒙活動を促しましょう。

・メンタルヘルスマネジメント検定を受ける

メンタルヘルスマネジメントに取り組むためには、従業員の心理状態を把握したり、ストレス緩和に関する知識を持ったりする必要があります。幅広いスキルが必要になりますが、メンタルヘルスマネジメント検定を受験すると、知識や技術が身に付きます。自社に必要な資格を取得するようにしましょう。 

  • I種(マスターコース):経営者、人事労務が健康経営や教育に取り組める内容
  • II種(ラインケアコース):管理職が部下の安全を守れる方法を学べる内容
  • III種(セルフケアコース):社員がセルフケアの方法を知れる内容

◆メンタルヘルスマネジメントの取り組み事例

メンタルヘルスマネジメントについて説明しましたが、どのように取り組めば良いのか事例を参考にしてみましょう。ここでは、メンタルヘルスマネジメントの取り組み事例をご紹介します。

・エーザイ株式会社

出典元:『エーザイ株式会社

エーザイ株式会社は、国内の大手製薬会社です。同社は「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」の企業理念を大切にしています。この企業理念を実現するためには、従業員の健康の維持・増進が欠かせないものと捉え、従業員の健康維持の施策を打っています。主な取り組み内容には、以下のようなものがあります。 

[主な取り組み事例]

  • 健康診断の受診率の向上
  • 腫瘍マーカー検査の実施
  • 診断ツールを活用した認知症の予防
  • 福利厚生の拡充
  • 労働環境の見直し
  • ヘルスリテラシーの啓蒙活動
  • ストレスチェックの実施
  • 復職プログラムの実施 

健康診断の受診率は99.9%、ストレスチェック受験率は96.8%と高い数値を記録しており、従業員の健康の維持、増進に成功しています。

・株式会社ビズリーチ

出典元:『株式会社ビズリーチ

株式会社ビズリーチは、人材領域のサービスを提供しているIT企業です。同社は障がい者雇用の促進をしており、1人ひとりの資質や能力に合わせたキャリア支援をしています。

障がい者の方は仕事をする上で、さまざまな悩みを抱えがちです。このような悩みを気軽に相談できるオフィスサポートセンターグループを立ち上げました。相談窓口は外部の専門家と連携しており、仕事上の悩みやキャリアに関する相談ができるようになっています。

このような取り組みで、障がい者雇用の定着率90%を継続することに成功しています。

・味の素株式会社

出典元:『味の素株式会社

味の素株式会社は日本の食品会社です。同社は人材を人財を捉えており「会社にとって従業員の健康はその能力を十分に発揮し、事業活動や社会活動に貢献する上での重要な資源である」という考えのもと、メンタルヘルスマネジメントに注力している会社です。

産業医9名、産業保健スタッフ13名体制で、従業員のメンタルケアを実施しています。年1回は全従業員と面談を実施して潜在的な心身不調を見逃さないように工夫しているのです。

また、復職プログラムにも力を入れており傷みにくい心作りに注力しており、健康経営銘柄にも選ばれました。

◆まとめ

メンタルヘルスマネジメントとは、従業員が鬱病や適応障害のような精神疾患に陥らないように、職場改善や悩み相談で心の健康をサポートすることをいいます。

職場でストレスを感じて、メンタル不調で休職や退職に追い込まれる人が増えました。このような問題を防止するためにも、メンタル不調の原因と対策を把握してサポートすることが大切です。ぜひ、これを機会にメンタルヘルスマネジメントに取り組んでみてください。

 

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