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2024.9.20

マズローの5段階欲求説とは?マネジメントに活かす方法まで解説!【事例付き】

【事例付き】マズローの5段階欲求説とは?マネジメントに活かす方法まで解説!

ヒューマニスティック心理学の代表格であるマズローの5段階欲求説をマネジメントや組織風土づくりに利用できることをご存知ですか?

マズローの5段階欲求説を上手く活用してマネジメントすれば、従業員が意欲的に働くようになり定着率も上げられます。

今回はマズローの5段階欲求説について詳しく解説します。この記事では、マネジメントや組織風土づくりに活用する方法、成功事例まで紹介しているため、ぜひお役立てください。

マズローの5段階欲求説とは

マズローの5段階欲求説とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した理論です。

人間の欲求は5段階に分類できて、低い階層の欲求が満たされると、次の欲求を求めるようになるという心理学分野の理論です。

マズローの5段階欲求説
マズローの5段階欲求説とは

  • 生理的欲求(食欲や睡眠、性欲など生命維持に不可欠な欲求)
  • 安全の欲求(心身の健康や経済力など、安定した生活への欲求)
  • 社会的欲求(友情や愛情への欲求)
  • 承認欲求(承認欲求を満たしたい欲求)
  • 自己実現の欲求(能力を最大限に発揮して何かを成し遂げたいという欲求)

マズローの5段階欲求説は人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)の代表格と言われています。ヒューマニスティック心理学とは、人の感情や意欲など心の動きに注目して人間心理を理解しようとするアプローチ方法です。

マズローの5段階欲求説が批判される理由

マズローの5段階欲求説は科学的根拠がないと批判されることもあります。また、人間の複雑な心理を単純化し過ぎているなどの批判もあります。

しかし、マズローの5段階欲求説は、マネジメントや風土づくり、マーケティングなどあらゆる場面に活用されていることは無視できません。そのため、マズローの5段階欲求説を理解して上手く活用することをおすすめします。

マズローが提唱した5段階欲求の内容

マズローが提唱した欲求は5つあります。「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」です。

低い層の欲求が満たされることで、次の段階の欲求を求めるようになります。ここでは、5つの欲求の意味と、職場の従業員の欲求に当てはめた例を併せてご紹介します。

生理的欲求

生理的欲求

生理的欲求は人間が生きる上で基本的な欲求で、生命維持に欠かせないものです。食欲や睡眠欲、性欲などが該当します。

日本国憲法(第25条)には「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と書かれており、生活保護法も制定されています。そのため、基本的に生理的欲求が満たさないことはあり得ません。

生理的欲求が満たされずに悩んでいる方には、社会福祉サービスの利用を推奨しましょう。

安全の欲求

安全の欲求

安全の欲求とは心身共に健康で、経済的に安定した生活を送りたい欲求です。安全の欲求には、老後や失業に対する不安がないことも含まれます。

従業員の安全の欲求を満たすためには、事業全体の売上を伸ばして給与額を維持しなければなりません。また、人手不足による業務過多な状態で健康を害さないような労働環境を用意する必要があります。

近年ではハラスメント対策のため、ハラスメント窓口の設置が義務化されています。これも安全の欲求を満たすための取り組みです。

社会的欲求

社会的欲求

社会的欲求とは、どこかに所属をして仲間を得たいと思う欲求です。単純に誰かと一緒にいることを指すのではなく「認められたい」「愛されたい」「頼りたい」などの心理的なニーズが含まれます。

従業員の社会的欲求を満たすためには、職場の人間関係が良好でなければなりません。組織変更や勤務体制の変化があった場合は、管理職が適切に対応するなど基本的なことから信頼関係は生まれます。

「報告」「連絡」「相談」のコミュニケーションを図ることで「組織一丸となって目標に向かっている」「会社のみんなに必要とされている」という社会的欲求を満たすことができます。

承認欲求

承認欲求

承認欲求とは他人から認められたい、尊敬されたいという欲求です。もう少し具体的に説明すると「仕事で評価して欲しい」「自分の能力を認めて欲しい」という欲求を指します。

従業員の承認欲求を満たすためには、フィードバックが欠かせません。例えば、人手不足で残業をしてくれている従業員に対して感謝すれば役に立てていると実感してもらえるようになります。また、会社の貢献を正しく評価すると承認欲求を満たせます。

自己実現の欲求

自己実現の欲求

自己実現の欲求とは、自分の可能性を最大限に発揮して、らしく生きたいという欲求です。自分の能力を最大限に生かして何かを成し遂げたときに感じられる満足感や、新しいことに挑戦して実感できる成長が該当します。

従業員の自己実現の欲求を満たすためには、1on1面談で希望するキャリアや価値観を聞きサポートすることが大切です。

自己超越の欲求

自己超越の欲求とは、マズローの5段階欲求説に後付けされた高次の欲求です。自分自身ではなく、他者のために何か役立ちたい、社会貢献したいと思う気持ちです。

例えば、地球環境問題に関心を持ちエコ活動に取り組んだり、格差問題を解決するために社会貢献活動を始めたりすることをいいます。自己超越の欲求を持っている従業員は非常に少ないです。そのため、自己超越の欲求は気にする必要はありません。

マズローの5段階欲求説を用いたマネジメント方法

マズローの5段階欲求説を用いたマネジメント方法

マズローの5段階欲求説を活用すれば、従業員が満足できる職場環境を作れるようになります。ここでは、マズローの5段階欲求説を用いたマネジメント方法(職場改善)をご紹介します。

STEP1:従業員アンケートを実施する

まずは、従業員アンケートを実施して満足度を調査しましょう。

(1)アンケートシステムを活用する


従業員アンケートを実施する際には、アンケートシステムを活用することをおすすめします。アンケートシステムを活用すれば、アンケート作成、収集、分析が簡単に行えるためです。
匿名性のアンケートにすることで、より本音に近い回答が得られます。

アンケート結果を収集したら「支店」「部署」「世代」別で、どのような不満を持たれているか傾向を分析しましょう。

(2)インタビューを実施する


アンケートシステムで「支店」「部署」「世代」別の満足度・不満足度を聞けたら、協力者を見つけてインタビューをし、より詳しく話を聞きましょう。

そして、インタビューシートにまとめていきます。

STEP2:現状を整理して把握する

STEP1で収集したデータは、マズローの5段階欲求説を活用してまとめます。そして、類似のカテゴリをグルーピング化します。グルーピング化することで、どこから優先的に対応すべきか把握できるようになります。

STEP3:職場改善の施策を打つ

次に職場改善の施策を打ちます。マズローの5段階欲求説では、低層の欲求が満たされないと次の欲求は満たされません。そのため、低層の欲求から満たしていきましょう。

例えば、業務方針やキャリア支援不足の場合は、過度な残業を減らしてから、キャリア相談の場を設けることから始める必要があります。

マズローの5段階欲求説を用いたマネジメントのコツ

マズローの5段階欲求説を用いたマネジメントのコツ

マズローの5段階欲求説を用いたマネジメントのコツは3つあります。

低い階層の欲求から順番に満たす

マズローの欲求は低い階層の欲求から順番に満たすことが大切です。なぜなら、低い階層の欲求を満たさないと次の欲求が生じないためです。つまり、高い階層の欲求を満たす施策を行っても、従業員満足度は上がりません。

例えば、新しい役職への挑戦の機会(承認の欲求)を与えても、業務サポートが不足(集団帰属の欲求)していれば、不安を与えてしまうことになります。そのため、低い階層の欲求から順番に満たしましょう。

項目数が多いカテゴリから着手する

職場改善の施策には、さまざまなものがあります。従業員調査しても、さまざまな課題が出てくることでしょう。

複数の課題を抱えた際に、一度に対応するのは難しいです。そのため、それぞれの課題をカテゴリに分類しましょう。その上で、項目数が多いカテゴリから着手すると、職場改善が捗ります。

職場改善の施策の効果を測定する

職場改善の施策を打った後は、効果を測定しましょう。アンケートシステムの回答変化分析を用いれば、1回目と2回目のアンケート結果を比較できます。つまり、従業員満足度を高められたか確認することが可能です。

マズローの5段階欲求説を用いた職場改善事例

マズローの5段階欲求説を用いた職場改善事例

A社は60名の従業員が退職しており、離職率の高さに悩んでいました。そのため、職場改善を行うために従業員アンケートを調査した結果、業務方針やキャリアに関する不満が多く散見されていました。同社は、従業員アンケート結果を参考に職場改善し、離職率の抑制に成功しています。

  • 生理的欲求:-
  • 安全の欲求:指導不足⇒マニュアル作成やメンター制度導入を実施
  • 社会的欲求:業務の単調さによる不満⇒新しい仕事への挑戦機会の付与
  • 承認欲求;承認機会不足による不満⇒昇進の機会の付与
  • 自己実現の欲求:自己実現の欲求⇒資格取得支援などを実施

まとめ

マズローの5段階欲求説とは、低い階層の欲求が満たされると、次の欲求を求めるようになるという心理学理論です。

例えば、新しい役職への挑戦の機会(承認の欲求)を与えても、業務サポートが不足(集団帰属の欲求)していれば、不安を与えてしまうことになります。そのため、低い階層の欲求から順番に満たしましょう。

職場改善する際に非常に役立つ理論なので、上手く活用してみてください。

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