従業員の健康状態が生産性と大きく影響すると分かり、健康経営に注目が集まっています。
しかし、健康経営に取り組みたくても、どのように取り組めば良いか分からないと悩んでしまうかもしれません。このような悩みを抱えたら、健康経営優良法人認定制度で表彰された企業の取り組み方を参考にしましょう。
今回は健康経営優良法人認定制度で表彰された企業の健康経営の取り組み方をご紹介します。
目次
<はじめに>
健康経営優良法人制度とは、健康経営を実践している企業を「健康経営優良法人」として表彰する制度です。経済産業省が制度を作っており日本健康会議が認定しています。健康経営優良法人になると認定マークが使用できます。また、健康経営優良法人に表彰されるメリットは以下の通りです。
[健康経営優良法人になるメリット]
◆ 健康経営優良法人認定制度2022の表彰企業5選
健康経営優良法人認定制度に認定されれば、さまざまな効果が見込めますが、どのような取り組みをすれば良いのでしょうか?健康経営優良法人認定制度2022の表彰企業が、どのような取り組みをしているかを確認してヒントを得ていきましょう。
・ ストレス指標の高い従業員をフォロー「株式会社新井精密」
出典元:『株式会社新井精密 公式ホームページ』
株式会社新井精密は、高い切削加工技術で着実に売上を伸ばしている埼玉県秩父市の企業です。従業員の平均年齢は40歳で退職率が低く長く働ける環境が整備されています。
新型コロナウイルス感染拡大により従業員の健康意識が高まったため、健康経営に取り組み始めました。
これまでストレスを抱えている従業員に対する面談は行っていたものの、予防や早期発見には取り組めていませんでした。そのため、ストレスチェックを実施して、ストレス指数が高い従業員には衛生管理者と面談を促したのです。
また、生命保険会社が運営する24時間対応の健康相談ダイヤルを周知させました。このような取り組みで、ストレス指標の高い従業員のフォローアップを実現しました。
・ 職場復帰やすい職場を実現「新関西製鐵株式会社」
出典元:『新関西製鐵株式会社 公式ホームページ』
新関西製鐵株式会社は、耐熱ラベル貼付装置や鋼材用ラベル貼付装置などを開発・販売しているメーカーです。健康問題が起因となる仕事のパフォーマンスの低下を知り、2017年から健康経営に興味を持ち、メンタル不調者の早期発見、職場復帰支援、発生予防に取り組み始めました。
主な取り組みとして、診療内科クリニックと契約してメンタルヘルスの治療を開始。また、メンタル不調者が職場復帰できる「リワークプログラム」を提供しています。
社内規定で、メンタル不調者の休職・復職支援に関する取扱規定を策定してフォロー体制を強化し、復職できる職場づくりを実現しました。
・ 女性特有の疾病を防止(株式会社リーズ)
出典元:『株式会社リーズ 公式ホームページ』
株式会社リーズは各種保険を販売している保険代理店です。2018年から従業員満足度を向上させることを経営目標に掲げる中で、取引先の保険会社から健康経営優良法人認定制度へのチャレンジを提案されました。健康経営エキスパートアドバイザーの指導を受けて健康経営に取り組みを開始しました。
従業員の女性の割合が高いため、女性特有の疾病に関する検診費用を会社が負担することを決め、健康診断の受診を推奨し始めたのです。
健康診断を受診させるために、健康推進を目的としてミーティングを実施しています。その結果、女性特有の疾病に対する健康診断の受診率は100%を達成。また、異常が発見された者は0%で従業員の健康が確認できました。
・ アサヒグループ健康推進会議を開催(アサヒグループホールディングス株式会社)
出典元:『アサヒグループホールディングス株式会社 公式ホームページ』
アサヒグループホールディングス株式会社は、アサヒビールやアサヒ飲料、アサヒグループ食品を販売する大手食品メーカーです。同社では、社員および家族の心身の健康を第一に考えており、2021年に「アサヒグループ健康経営方針」を策定しました。この方針のもと、アサヒグループ健康推進会議を定期的に開催しています。
社内の従業員に健康診断を受診させた結果、高血圧や脂質異常症などの有所見率が高かったため、メタボリックシンドロームのリスク低減に向けた飲酒対策を実施しました。
飲酒の適正量、正しい飲酒方法を学ぶ「アルコールに関するeラーニング」を行い、96.7%の従業員が受講。このように、健康診断の結果を参考にしながら、従業員が活き活きと働ける職場づくりを実現しています。
・ 意欲的に働ける職場を実現(ライオン株式会社)
出典元:『ライオン株式会社 公式ホームページ』
ライオン株式会社は、洗剤・石鹸・歯磨きなど化学品を取り扱う生活用品メーカーです。2018年に「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」と方針を策定して活動しています。
[ライオン株式会社の取り組み]
従業員の健康意識を上げるために、健康診断の受診料を会社で負担したり、健康リスクについて知れる「健康情報システム GENKIナビ」を活用したりしています。このような取り組みで、心身健康で意欲的に働ける職場づくりをしています。
◆ 健康経営優良法人認定制度に認定されるためのコツ
健康経営優良法人認定制度2022に表彰された企業に取り組みをご紹介しましたが、どのような点を注意すれば良いのでしょうか?ここでは、健康経営優良法人認定制度に認定されるためのコツをご紹介します。
・ 健康経営エキスパートアドバイザーの指導を受ける
健康経営に取り組む場合はコストと労力がかかるため、入念な計画を立てることが大切です。
健康経営に興味があるけれど、どのように取り組めば良いか不安だという場合は、健康経営エキスパートアドバイザーの指導を受けましょう。
健康経営エキスパートアドバイザーの指導を受けると、企業が抱える課題の抽出、職場環境の提案、計画書の作成まで支援してもらえます。実績を豊富に持つ健康経営エキスパートアドバイザーに相談をすれば、他社事例を踏まえて提案してくれます。
・ ストレスチェックで職場分析をする
ストレスチェックを実施して、従業員の健康状態を把握し職場分析をしましょう。従業員のストレス指数を測定することも大切ですが、データを活用して長時間労働と特定保健指導の要否や、医療費との相関関係などを分析することをおすすめします。
ストレスチェックのデータで、職場の課題を見つけて改善していけば経営健康は成功します。例えば「長時間のデスクワークで腰痛に悩んでいる人が多い」という場合は、業務時間の途中で軽い運動をする習慣などを設ければ、従業員は健康的になれるでしょう。このように、職場分析して課題を発見して改善することが大切です。
・健康経営の目標を数値にする ―
健康経営に取り組む場合は、職場分析して課題を発見し改善していくものですが、目標は数値化するようにしましょう。
目標を数値化した方が従業員は取り組みやすくモチベーションを保てます。例えば、メンタルヘルスケアに取り組む場合は、メンタルヘルス不調者の割合を1%未満にするなどの目標を立てます。
・ 健康経営の効果を測定する
健康経営の効果を定期的に測定するようにしましょう。効果測定の結果を発表することで、健康経営に積極的に取り組んでいる企業であると理解してもらえます。健康経営の効果測定は、従業員アネートなどを実施してデータ収集、分析して効果測定する方法があります。
◆ 健康経営優良法人認定制度の取り組み方
健康経営優良法人認定制度に認定されるコツをご紹介しましたが、取り組む手順を覚えておきましょう。
◆ まとめ
健康経営優良法人制度で表彰されている企業は、従業員が活き活きと働ける職場づくりに成功しています。さまざまな取り組み事例をご紹介しましたが、以下が取り組む上で大切となります。
ここでは、各企業の健康経営の取り組み事例まで紹介しました。ぜひ、この記事を参考にして、従業員が働きやすい職場づくりを目指してみてください。
また、 健康経営の取り組み効果を知りたい方は、ホンネインタビューシステム『いっと』をご利用ください。いっとは、第三者の専門家がお客様に代わって、従業員の “4つのホンネ” をヒアリングするサービスを提供しています。「従業員が求めている職場環境を知りたい」「健康経営の効果を測定するためにサーベイツールを導入したい」…とお考えでしたら、ぜひ『いっと』をご活用くださいませ。