Exit interviewエグジットインタビュー

2023.2.15

退職希望者を引き止める効果的な方法とは?ポイントまで解説!

優秀な社員に退職をされてしまうと、企業は大きな損失を被ってしまいます。この記事を読んでいる方は、退職希望者を引き止めることはできないのだろうか?と思っていることでしょう。
そこで、今回は退職希望者を引き止める効果的な方法をご紹介します。ぜひ、退職希望者の引き止め方を知りたいという方は、この記事を参考にしてみてください。

◆ [はじめに]退職を希望する社員の本音とは


退職希望者を引き止める前に、どのような理由で退職してしまうのか主な理由を把握しておきましょう。主な退職理由を知っておくことで、どのような不満を抱いているかを予測できて改善しやすくなります。

リクナビNextの独自調査『転職理由と退職理由の本音ランキングBest10』によると、退職理由のランキング結果は以下の通りになりました。

  • 第1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
  • 第2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
  • 第3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
  • 第4位:給与が低かった(12%)
  • 第5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
  • 第6位:社長がワンマンだった(6%)
  • 第7位:社風が合わなかった(6%)
  • 第7位:会社の経営方針・経営状況が変化した
  • 第7位:キャリアアップしたかった(6%)
  • 第10位:昇進・評価が不満だった(4%)

    さまざまな理由が、退職を決意させていることが調査結果から分かります。

    ◆ 退職の引き止め方


    退職の主な原因を把握した上で、引き止めたい社員を呼び出します。退職の引き止め方の手順は以下の通りです。

    1.社員と良好な関係の人物を呼ぶ
    2.社員の不満を聞き出す
    3.社員の不満を解消する

    ここでは、各手順について詳しく解説します。

    1.社員と良好な関係の人物を呼ぶ

    まずは、退職希望者と最も深い関係の社員(元上司や先輩)を呼び出して、退職しないように説得して欲しいと協力を仰ぎましょう。退職希望者を採用した人や上司、同期など、相手に影響を与えた人物を呼び出して、事情を説明して引き止めに協力してもらいます。

    良好な関係の協力を仰ぎ、慰留を求めても引き止められないかもしれません。しかし、さまざまな人が慰留を求めることで、多くの人に必要とされていることが感じられます。その結果、退職を思い留めてくれることもあります。

    2.社員の不満を聞き出す

    次に退職希望者を呼び出して面談をします。面談を行う上で重要なことは、議論をせずに傾聴することです。傾聴とは、相手の考えや感情を察して無条件で受容することをいいます。このような傾聴を心掛ければ、退職希望の本音を聞き出しやすくなるのです。

    相手が話している最中に、話を遮らずに「頷く」「相槌を打つ」などの受容をするだけでも、真剣に話を聞いていることを示せます。

    3.社員の不満を解消する

    退職希望者の不満を聞いたら、それを解消する提案をします。その上で、「私はあなたに残ってもらいたい。一緒に働きたいと思っているから、会社に残ってくれないか?」と提案します。この際に、相手の魅力や期待したい役割を伝えてあげると効果的です。

    不満を解消する約束は上辺ではいけません。上辺の約束だと、優秀な社員であれば見抜いてしまうでしょう。そのため、解決案だけでなく期日など具体的に示してあげてください。

    ◆ 退職を引き止める際のポイント


    退職を引き止める手順をご紹介しましたが、成功率を上げるためにポイントを押さえておきましょう。

    他の社員に知られないように努める

    退職を引き止めるために、退職希望者を呼び出す場合は、他の社員に知られないような会議室や応接室に呼び出しましょう。その理由は、退職の意思があることが社内に広まると、退職が撤回しにくくなるためです。

    また退職が正式に決まるまでは、仕事の割り振りは通常通りに行います。普段と変わりなく過ごすことで、退職希望者が会社に残ろうと思い直した際に業務に戻りやすくなります。

    退職希望者の本音を引き出す

    退職希望者と面談を行うときは、相手から本音を引き出しましょう。本音を引き出すコツとして、以下のような方法があります。
     

  • まずは軽い話題をする
  • 自分から本音を話す
  • ネガティブな質問をしてみる

    とくにネガティブな質問は効果的です。ネガティブな質問の仕方とは、例えば「給与が低いと思っているの?」と後ろ向きな質問をすることをいいます。このような質問をする人は少ないため、相手の本音を引き出しやすくなります。

    引き止める側が自己開示する

    退職希望者を引き止めたい場合は、自分から自己開示することが大切です。自己開示をする人は、短時間で相手からの信頼が得られます。自己開示をする場合は、返報性の効果を狙って、相手から聞き出したい内容を自分から開示します。

    例えば、「正直、僕は会社の平均給与が低いと思っているんだけど、〇〇さんはどう思いますか?」といった具合です。このように、自己開示することで相手の本音を引き出せるようになります。

    ◆ 退職の引き止め方のNGの行動


    退職の引き止め方をご紹介しましたが、やってはいけないNG行動があります。NG行動をしてしまうと、退職が防げなくなるだけでなく会社の風評被害がされる恐れがあります。そのため、退職の引き止め方のNG行動を覚えておきましょう。

    ・ 感情を煽る言葉を使用しない

    退職したい意思を伝えられるとショックを受けたり、怒りが込み上げてきたりネガティブな気持ちになります。しかし、ネガティブな発言をして、相手の環境を煽ってはいけません。

    例えば「あなたの実力では、他の会社では通用しないよ」「今の会社でも大して活躍できていないんだから苦労するよ」など相手が傷つく言葉を投げてしまうと、引き止められる確率は限りなくゼロになるでしょう。

    また、退職後に企業の悪い評判が書かれてしまう恐れがあります。このようなリスクもあるため、絶対に感情を煽る言葉を使用しないように注意してください。

    ・ その場限りの約束をしない

    退職希望者の不満を聞き出して、解決することを約束する場合は口約束で終わらないようにしましょう。具体的な内容、期日を伝えて約束を果たすことで、従業員と会社の信頼関係が築けます。

    また、次の人材が採用されるまで残ってくれなどの会社都合の約束をしてはいけません。退職希望者は「自分の都合ばかりを考える会社だ」と、気持ちを冷ましてしまいます。そのため、退職を引き止めたい相手の都合を考えた約束をし、きちんと守るようにしましょう。

    ・ 不信感を抱く言動はしない

    退職を引き止めたいために、退職希望者の不満を全て叶える必要はありません。例えば、退職希望者が給料に不満を感じている場合は、企業貢献度に見合った分を昇給すべきです。度が過ぎる昇給はしないようにしましょう。

    なぜなら、他の従業員が不信感を抱き、あらゆる人が退職の意思を示すようになるためです。そのため、退職希望者の不満は改善する余地があるか?誠実な対応になるか?を考えてから解決するようにしましょう。

    ◆ 退職を引き止めるために意識すること


    退職の引き止め方をご紹介しましたが、日頃の心がけ次第で引き止めの成功率は変わります。そのため、どのようなことを意識すれば良いかを把握しておきましょう。

    ・ 日頃のコミュニケーションを大切にする

    日頃から社内のコミュニケーションを大切にしておくと、相手から本音を聞きやすくなります。コミュニケーションをとる方法は、退職の引き止め成功率を上げる基本的な取り組みです。そのため、日頃から社員とコミュニケーションをとるようにしましょう。

    組織を横断したプロジェクトを起ち上げたり、1on1ミーティングを実施したりなどの方法も効果的です。

    ・ 職場環境の定期的な見直しをする

    社内の人から定期的に意見を聞き出して、職場環境の見直しをすることは大切です。社員が働きやすい環境を整えてあげれば、従業員エンゲージメントは高まり、退職を考える機会も減ります。どのような改善方法が良いかは、各企業で異なりますが、職場改善の方法には次のようなものがあります。
     

  • 業務効率化をして残業を減らす
  • 有給休暇の取得をしやすくする
  • コミュニケーションを活性化する
  • 福利厚生を重視させる

    職場改善の方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
    関連記事:『働きやすい職場づくりを実現するための流れ!施策まで徹底解説!

    ・ 評価制度の定期的な見直しをする

    自分の仕事が正しく評価されていないと、仕事のモチベーションが下がってしまいます。そのため、人事評価は客観性と透明性のあるものにしましょう。どのような評価基準なのかを明確にしておくことで、従業員が納得しやすい人事評価ができます。

    社員1人1人の能力や貢献度が公平、公正に評価できて、待遇に適切に反映されていれば、人事評価で不満をもたれることはありません。そのため、上司の好き嫌いの主観的な人事評価をしている場合は、人事評価制度を見直してみてください。

    ◆ まとめ

    退職希望者を引き止めるためには、相手が会社に対して抱いている不満を聞き出して、不満を解消してあげることが大切です。しかし、退職希望者が必ず本音で不満を打ち明けてくれるとは限りません。そのため、相手から本音を引き出せるように話しかけましょう。この記事では、退職希望者の引き止め方のポイントやNG行動をまとめました。ぜひ、この記事を参考に、退職希望者の引き止めをしてみてください。

    いっとは、第三者の専門家がお客様に代わって、従業員の “4つのホンネ” をヒアリングするサービスを提供しています。
    「社内では本音を引き出すのが難しい」「具体的にどんな対策が有効なのか分からない」と感じたら、ぜひ『いっと』をご利用くださいませ。

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