Exit interviewエグジットインタビュー

2024.6.25

休職者が多い職場の4つの特徴!職場改善の方法まで紹介

健康経営が注目を浴びていますが、近年、メンタル不調で休職する従業員が増えています。メンタル不調で従業員が休職すると、企業はどのような損害を受けるのでしょうか?また損害を受けないように、従業員のメンタル不調を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?今回は求職者が多い職場が取り組みたい改善施策をご紹介します。

休職者がいる企業の割合は87%

厚生労働省『令和3年労働安全衛生調査』によると、500人以上が働いている中堅企業・大企業で、1年間で1ヶ月以上休職している従業員がいると回答した割合は87%。多くの企業で休職者がいることがわかります。

中堅企業や大企業は休職制度が整っているから休職者が多いことも考えられますが、従業員が健康で働き続けられる環境を考えることが大切です。

休職者が多い職場が抱える問題

休職者が多い職場には、次のような問題が出てきます。

生産性の低下

休職者が多い職場は生産性が低下します。なぜなら、休職者の業務を周囲の人が代理で行うためです。1人当たりの業務量が増えて、法定労働時間内に仕事が終わらなくなります。

時間外労働や休日労働で心身共に疲れてしまい、集中力が低下してしまうでしょう。疲れから仕事のミスが増えるなど生産性が落ちてしまいます。

従業員の士気の低下

休職者の業務を代理で行っているにも関わらず労りの言葉がなければ「このような職場だから休職者が出てしまう」「真面目に働いているのが馬鹿馬鹿しく思える」と仕事に対する意欲がなくなってしまいます。

また、いつまで休職者の業務を代理で行わなければいけないのか、期日が定められていないと不安を感じてしまいかねません。このような事情で従業員の仕事に対する士気が低下していきます。

企業イメージの低下

従業員がメンタル不調で休職していることが周囲に知れ渡ると「業務量が多くて働きにくい会社だ」「従業員を大切にできていない会社だ」と企業イメージが低下してしまいます。

企業イメージが低下すると、顧客に会社を選んでもらえなくなったり、取引先からの信用が失われたりします。また、求人募集をしても人材採用できません。このような悩みを抱えることになるため、企業イメージが低下しないように気をつけましょう。

休職者が多い職場の特徴

独立行政法人労働政策研究・研修機構『職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査』によると、休職者が多い職場には以下のような特徴があると述べられています。

  • 人間関係が悪い
  • 業務量が多い
  • 仕事の責任が重い
  • 上司と部下の関係が悪い 

ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。

人間関係が悪い

職場の人間関係で悩んでメンタル不調になる従業員は多いです。

労働政策研究・研修機構『若年者の離職状況と離職後のキャリア形成』では、3割の若手社員が人間関係を理由に離職しています。

職場の人間関係は自由に選ぶことができません。そのため、苦手な人とも一緒に働かなければいけません。

職場の人間関係の悩みは、いじめや嫌がらせだけでなく、価値観が合わないなどもあげられます。例えば、協調性を大事にしたい人と成果を重視したい人が一緒に働くと衝突してしまうでしょう。このような理由で関係がもつれることがあるため、多くの人が職場の人間関係に悩んでいるのです。

業務量が多い

業務量が多いと心身共に疲れてメンタル不調になりやすくなります。しかし、業務量が多い状況は誰でも起こりうる状況です。

仕事のスピードが遅くて業務が溜まる人だけでなく、優秀で多くの仕事が与えられてしまう人も業務量が増えてしまいます。業務量が多く残業を続けると、睡眠不足の状態に陥り食欲が落ちてきます。

また、運動不足により体力が低下していき不調に陥ってしまうのです。働き方改革で時間外労働に上限が定められました。そのため、従業員の業務量が多くなり過ぎないように配慮してあげましょう。

業務量が多いと起きるリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

関連記事:『業務過多で従業員が退職!人間関係や労働環境の悪化を解消する方法とは』 

仕事の責任が重い

仕事を続けてスキルアップしていくと、責任の重い仕事を任されていきます。仕事の責任が重いほどストレスが多くなり、仕事自体が嫌になってしまうこともあります。

責任が重くて仕事を辞めたいと思った経験がある人は仕事の責任が重たくて、ストレスを蓄積しているのです。このような仕事の責任が重い立場の人は、相談できる相手が少ないです。1人でプレッシャーを抱えてしまうため、メンタル不調に陥りやすくなります。

上司と部下の関係が悪い

上司と部下の関係が悪いことに悩んで、メンタル不調に陥る人もいます。ハラスメントによるメンタル不調は大きな問題となっており、ハラスメント相談窓口の設置が義務化されるほどです。

上司によるパワハラやセクハラ、マタハラによる部下のメンタル不調。また、部下の逆ハラスメントによりメンタル不調に陥る上司も増えてきました。

上司と部下が良好な関係を築くためには、日頃のコミュニケーションが大切です。どのようにコミュニケーションを取れば、信頼関係を構築できるのか知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。

関連記事:『上司ができる部下と信頼関係を築く方法とは?心得や仕組みまで解説

休職者が多い職場が取り組みたいこと

休職者が多い職場の特徴をご紹介しましたが、どのように改善していけば良いのでしょうか?ここでは、休職者が多い職場が取り組みたいことをご紹介します。

心理的安全性の高い職場を作る

風通しの良い職場にするため、心理的安全性の高い職場を作りましょう。心理的安全性の高い職場にするためには、無知や無能と思われる不安を取り除いてあげることが大切です。そのため、以下のようなチームを作りましょう。

  • お互いの存在を尊重する
  • 相手に対して感謝の気持ちを示す
  • 相手からの感謝を受け取る
  • 相手の話に耳を傾けたり、相槌を打つ
  • 発言する機会を均等に持てるようにする
  • 愚痴や不満よりも建設的な言葉を意識する
  • 立場が上の人こそ、相手に弱みをみせる

タレントマネジメントを行う

従業員の仕事に対する価値観、持っているスキルを見て最適な人材配置をすると、人間関係の不和が起きにくくなります。そのため、タレントマネジメントを活用しましょう。

タレントマネジメントとは、従業員のスキルや価値観、性格をデータ化して、そのデータを活用して戦略的に人材配置、人材育成するマネジメント手法をいいます。

人事担当者の経験や勘に頼らず、データを根拠に人材マネジメントをすれば、職場の悩みを解決しやすくなります。

業務効率化に取り組む

業務量が多く残業時間が長くなっている場合は、業務効率化に取り組んで業務負荷を減らしましょう。業務効率化のアイデアには以下のようなものがあります。 

  • 無駄な業務を削減する
  • 業務を統合する
  • 業務を分業する
  • 業務マニュアルを作成する
  • ナレッジを共有する
  • 会議時間を短縮する
  • テレワークを推進する
  • デジタル技術を活用して業務を自動化する

新たなメンバーを採用する

従業員の業務量が多く、業務効率化できない場合は新たなメンバーを採用しましょう。新たなメンバーに業務を分け与えれば、従業員の業務負担が減ります。近頃は人材を採用する方法だけでなく、アウトソーシングする方法もあります。そのため、振り分けられる業務がある場合は、他の人に依頼するようにしましょう。

ハラスメント研修を受けさせる

ハラスメントに対する意識は上がりましたが、大袈裟にハラスメントだという従業員も増えてきました。このような背景から、逆パワハラが出てきたのです。

ハラスメント問題を防止するために、従業員にハラスメント研修を行いましょう。ハラスメント研修を行えば、どのような行為がハラスメントであるかがわかるようになり、ハラスメントだと騒がなくなります。

また、どのような行為がハラスメントに該当するかも理解できるようになります。その結果、上司と部下で良好な関係を築くことができるのです。

メンタルヘルスケア研修を行う

メンタル不調に陥らないためには、以下の取り組みが欠かせません。 

  • 従業員自身が行うセルフケア
  • 現場監督者が部下の不調に気づきフォローするラインケア
  • 職場内の産業医による産業医ケア
  • 職場外のサービスより職場外ケア 

メンタルヘルスケアの重要性ややり方を教えて、メンタル不調の予防に取り組みましょう。

メンタルヘルスケアの取り組み方について詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

関連記事:『メンタルヘルスケアマネジメントとは?取り組み事例と効果、重要性を解説!』 

まとめ

500人以上が働いている中堅企業・大企業で、1年間で1ヶ月以上休職している従業員がいると回答した割合は87%と多くの企業で休職者がいます。求職者が増えると「生産性の低下」「従業員の士気の低下」「企業イメージの低下」などの問題が出てきます。そのため、メンタル不調で休職者が出ないように予防をしましょう。

この記事では求職者が多い職場の特徴と改善方法をご紹介しました。ぜひ、これを機会に職場環境を改善しましょう。

#メンタルヘルス #具体的な施策 #職場環境