「上司の働き方を見て将来のキャリアパスに不安を感じた」「今の職場で自分の理想とする働き方が実現できかわからずに不安」など、ロールモデルがいないと悩んで、従業員は退職してしまいます。
従業員に退職されてしまうと大きな損失を被ることになるため対策をしましょう。
今回はロールモデルがいないと退職につながる理由を解説します。この記事では、ロールモデルの見つけ方までご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
[はじめに]ロールモデルがいないと離職率が上がる
弊社が退職者にインタビューすると「上司の働き方を見て将来のキャリアパスに不安を感じた」「先輩や役職者が多く残業していて、多忙になるだけのキャリアアップに魅力を感じなかった」とお聞きする機会があります。
つまり、従業員が理想とするロールモデルがいないと離職率が上がってしまうことがわかったのです。
Openwork社の働きがい研究所が新卒3年目までの退職者(627名)に調査をしたところ「(希望する)キャリア成長が望めない」が退職理由の第1位でした。
平成生まれの退職理由ランキング
- キャリア成長が望めない:25.5%
- 残業・拘束時間の長さ:24.4%
- 仕事内容とのミスマッチ:19.8%
- 待遇・福利厚生の悪さ:18.5%
- 企業の方針や組織体制・社風などどのミスマッチ:14.0%
出典元:『働きがい研究所by openwork就活応援プロジェクト第3弾 平成生まれの退職理由って?(vol.14)』
この調査データからもロールモデルがいないと離職率が上がることがわかります。そのため、ロールモデルがいない職場は、ロールモデルを作ることをおすすめします。
ロールモデルがいないと退職に繋がる理由
ロールモデルがいないと退職に繋がる理由は3つあります。
燃え尽き症候群になるため
ロールモデルがいない職場で働き続けると、目標を見失い燃え尽き症候群になりやすいです。
特に個人目標が営業数字の達成となっている場合「営業目標は達成できているけれど、今後スキルアップや成長ができないのではないか」と不安に駆られてしまいます。
昇進後の目標も営業数字の達成の場合「キャリアップしても同じ仕事の繰り返しなのでは?」と疑問を持つようになり、やり切った感覚になり燃え尽き症候群に陥ってしまうのです。燃え尽き症候群になると、会社を休みがちになり最終的には退職してしまいます。
キャリアの描き方がわからずに苦悩するため
自分の理想のキャリアイメージを持っている人ばかりではありません。キャリアの描き方がわからないと苦悩している人は想像以上に多いです。
社内にロールモデルとなる人がいない場合は、どのような働き方が理想なのかイメージしにくくなります。
仮に職場のキャリアパスが「マネージャーに昇進する」の1つのキャリアパスしかない場合、「マネージャーには憧れない」と退職者が現れたり、仕事をダラダラとやる人が増えたりします。
理想の働き方が実現できるか不安になるため
ロールモデルがいない職場かつ、キャリアを相談する機会が得られないと、自分の理想のキャリアが今の会社で描けるのかどうか不安に陥ります。
例えば、職場で出産・育休後に復帰した方がいない場合「結婚後も働き続けたいのだけど受け入れてもらえるのだろうか?」「子供を育てながら働けるのだろうか?」と不安になり、ライフプランすら描けなくなりストレスが溜まり仕事を辞めてしまいます。
ロールモデルの見つけ方
ロールモデルの見つけ方には3つの方法があります。
社内でロールモデルを探す
社内で活躍している人物がいる場合は、その人をロールモデルに設定できて、業務を行う上でのノウハウを共有をしてもらえます。また、業務上で悩みを抱えたときに、これまで培った経験でアドバイスしてもらえるでしょう。
社外メンターを活用する
社内にロールモデルがいない場合は、社外から探すのも1つの方法です。
社外メンターサービスを利用すれば、社員が理想とするキャリア形成をしている人をロールモデルに設定できます。そして、メンターに「どのようにキャリアを形成してきたのか?」「自分が抱えている悩みを解決する方法はあるのか?」などを聞けます。
社外のメンターは会社の派閥などの影響を受けない、中立的な立場の方です。社員同士ではないため、程よい距離感で話せて客観的なアドバイスをもらえます。
社外メンターについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『社外メンターとは?メリットや活用事例、選定方法まで解説』
SNSを活用する
身近にロールモデルがいない場合は、SNSで著名人を探してみる方法もあります。SNS上で、どのようにして成功を収めたのか、ノウハウやプロセス、思考法が公開されていることもあります。
また、自分が叶えたい理想の働き方を再現している人を探してダイレクトメッセージを送れば役立つ情報を手に入れられるかもしれません。多くの人がSNSに登録しているため、モデルとなる人が探しやすいです。
ロールモデルがいない問題を解決するコツ
ロールモデルの見つけたをご紹介しましたが、ロールモデルがいない問題を解決する3つのコツを併せて覚えておきましょう。
年齢が近い人をロールモデルにする
ロールモデルは年齢が近い人を選ぶと、少し先の未来を考えられるようになります。
例えば、2~3年ほど入社時期が早い先輩をロールモデルにすれば「どのような業務を新たに覚えるべきなのだろうか?」「どれぐらいの期間でスキルを習得したのか」を考えられるようになります。
また、キャリアに悩んだ際は先輩に相談することも可能です。年齢が近い先輩だからこそ、考え方や価値観に共感してくれて相談しがいがあります。そのため、ロールモデルを見つけるときは、なるべく年齢が近い人から見つけましょう。
同じ職業、職種の人から見つける
ロールモデルは同じ部署、職種の人から見つけると「この人は〇〇が優れている」と参考にしやすくなります。
同じ部署・職種の人に協力を仰げば、その人がどのようなキャリアパスを辿ってきたのか、自分のキャリアプランに役立てることも可能です。
また、キャリアで悩んだときは、相談すれば過去の経験に基づいた具体的な解決策を提示してもらえます。
ロールモデルを1人に絞り込まない
ロールモデルは1人に絞り込む必要はありません。なぜなら、自分の理想の働き方に完全に合致している人を探すのは想像以上に難しいためです。
ロールモデル1人に期待し過ぎてしまうと、少し違い面が出てきた際に「この人は、私のロールモデルではない」と思ってしまいます。そのため、ロールモデルは1人に絞り込まずに、複数人設定するようにしましょう。
「資料作成術は〇〇さんを見習おう」「プレゼンスキルは〇〇さんを見習おう」と、業務、役割でロールモデルを分散すると理想像を描きやすくなります。
ロールモデルがいないに関するよくある質問
最後にロールモデルがいないに関してよくある質問をご紹介します。
Q.ロールモデルは必ず見つけなければいけないの?
ロールモデルを探しても見つからない場合は、無理に設定する必要はありません。ロールモデルがいなくても、自分自身で理想の働き方を切り拓いていけばよいのです。
社内にロールモデルがいない場合「今後、誰かのロールモデルになれるような存在を目指す」という目標を与えてもよいでしょう。
しかし、従業員がキャリア形成で悩まないように、会社側はキャリア相談の機会の場を設けてあげてください。
Q.ロールモデルが不在でもモチベーション維持する方法はある?
ロールモデルが不在でも工夫次第でモチベーションを維持することはできます。
例えば、仕事の目標を細分化して、小さな目標を1つ1つ達成していけば、ゲーム感覚で努力していけるようになるでしょう。
しかし、努力しても目標達成できないこともあるでしょう。そのような状況に陥ったときは、周囲の人がサポートしてあげてください。従業員の様子を見て適切にフォローしてあげることが大切です。
Q.キャリア目標が定まらない場合は、どうすればいい?
ロールモデルが不在でキャリア目標が定まらない場合は、自分自身で目標を設定してもらいましょう。もし、自分自身の中に目標がない場合は、キャリアに関するイベントに参加して、目標を探すと良いです。
自分自身で目標を設定することが負担に感じた場合は、キャリアコンサルタントサービスを利用しましょう。キャリアコンサルタントなどに相談すれば、どのような目標を立てればよいか一緒に考えてもらえます。
まとめ
イグジットインタビューいっとにて退職者にインタビューすると、「上司の働き方を見て将来のキャリアパスに不安を感じた」「先輩や役職者が多く残業していて、多忙になるだけのキャリアアップに魅力を感じなかった」という意見を聞きます。
つまり、従業員が理想とするロールモデルがいないと離職率が上がってしまうのです。
ロールモデルがいないことによる離職は、ロールモデルを見つけることで解決できます。この記事では、どのような人をロールモデルにすべきかまで解説したため、ぜひ参考にして離職を防いでください。
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