社員1人1人に合わせて教育したいけれど、リソース不足だと悩みを抱えていませんか?このような悩みをICT(情報通信技術)で解決する「パーソナライズドラーニング」が注目を浴び始めてきました。パーソナライズドラーニングとは、どのような教育方法なのでしょうか?どのように取り組むものなのでしょうか?今回はパーソナライズドラーニングについて解説します。
目次
◆パーソナライズドラーニングとは
パーソナライズドラーニングとは、対象者1人1人の「興味」「経験値」「課題」に合わせて研修プログラムをカスタマイズして学習する方法いいます。
Googleの元社員が考案した教育方針「AltSchool」が参考にされており、個人のレベルに合わせた研修プログラムが提供できる理想モデルとし注目を浴びてきています。
AltSchoo;は教育機関で採用され始めていましたが、2018年以降は人材教育でも取り入れられるようになりました。上司と部下が1on1面談を実施して、どのような研修プログラムを受講するかを決めていき、eラーニングで必要な知識や技術を学習するのが一般的な流れです。
・パーソナライズドラーニングが注目される背景
パーソナライズドラーニングが注目される背景にはICT(情報通信技術)の普及があります。近頃は、企業でeラーニングが導入され始めています。その理由は、研修・教育コンテンツを用意しておけば、人材育成を効率化できるためです。
またeラーニングツール上で研修プログラムの受講履歴を確認したり、テストを実施して理解度を分析したりすることで学習の進捗状況を把握することも可能です。
AIが発展すれば、個人に見合った学習プログラムを推奨してもらえるようになるとも予想されており、今後パーソナライズドラーニングが注目されていくことでしょう。
・パーソナライズドラーニングのメリット
パーソナライズドラーニングのメリットには、次のようなものがあります。
- 各社員の理解度に見合った研修プログラムを提供できる
- 社員の都合で研修プログラムを受講できる
- 社員教育を効率化できて負担を減らせる
- 社員の研修プログラムの受講状況を把握できる
- 社員の研修内容の理解度を把握できる
各社員の課題に合わせて教育すると、リソース不足に陥ってしまう場合が大半です。このような問題を解決できる手法としてパーソナライズドラーニングが注目を浴びています。
・パーソナライズドラーニングのデメリット
パーソナライズドラーニングのデメリットには、次のようなものがあります。
- 仕事をする上での競争心が薄れてしまう
- 組織の一体感が得られにくい
- 研修プログラムのコンテンツ作成に手間がかかる
- 社員の学習意欲を保つのが大変である
eラーニングで実施すると自主学習になるため、社員の学習意欲を保つのが大変です。研修プログラムのコンテンツを作成が無駄に終わらないように継続敵に学習を促しましょう。
◆パーソナライズドラーニングの流れ
パーソナライズラーニングは以下のような流れで行います。
- 従業員の経験や目標、課題を調査する
- 対象者向けの研修プログラムを用意する
- 効果測定してフォローする
ここでは、各手順について詳しく解説します。
・従業員の興味や目標、課題を調査する
まずは、上司と部下が1on1面談を実施してどのような研修プログラムを受講するかを決めていきます。受講する研修プログラムを決める場合は「目標」「課題」「興味」などの観点から決めていきます。
受講する研修プログラムを決めたら、なぜ、その内容を学ぶ必要があるかを説明してあげましょう。
・研修プログラムを実施する
次に部下に研修プログラムを受講してもらいます。研修プログラムを作成する場合は、eラーニングを上手く活用しましょう。なぜなら、eラーニングであれば何度も繰り返し受講させられるためです。
例えば、新入社員が入社してくる度にビジネスマナー研修を実施すると手間がかかります。このような手間をeラーニングで省けます。
・効果測定してフォローする
部下に研修プログラムを受講してもらったら、クイズ形式のテストを受けてもらい理解度を測定しましょう。理解できなかった箇所は上司が指導してあげます。それだけでなく、eラーニングの研修プログラムのコンテンツを見直すなど、運用方法も改善していくことが大切です。
◆パーソナライズドラーニングを成功させるポイント
パーソナライズドラーニングの流れをご紹介しましたが、成功させるためのポイントを押さえておきましょう。
・コンテンツ制作の体制を整備する
研修プログラムのコンテンツを社内で制作できる体制を整備しておきましょう。近頃は、研修プログラムを簡単に制作できるデジタルツールが続々と登場しています。
ツールを使用したコンテンツ制作で躓いたらサポートしてくれるベンダーが多いです。さらに、基本の研修コンテンツが提供されているものもあります。このような便利なデジタルツールを活用して、コンテンツ制作の体制を整備しておきましょう。
・社員の本音を聞き出す
上司と部下の1on1面談で個人目標を設定します。また、現在の業務の課題などを共有し合いますが、部下から本音を引き出せないとパーソナライズドラーニングが機能しなくなります。
1on1面談で社員の本音を聞き出せないという状況に陥ったら、第三者機関の調査機関に依頼するのも1つの選択肢です。
・人事評価を見直す
パーソナライズドラーニングは、社員の学習意欲を保つのが大変です。1on1面談を実施して、研修プログラムを受講させますが、受け身の状態だと知識や技術が身に付きにくいです。
このような問題を解決するために、スキル習得した分を正当に評価するなど人事評価の基準を見直すとパーソナライズドラーニングが機能しやすくなります。
◆パーソナライズドラーニングにおすすめサービス3選
パーソナライズドラーニングを成功させる方法を説明しましたが、以下のサービスを利用すると叶えられます。
・Cloud Campus
出典元:『Cloud Campus』
Cloud Campusは200社以上に導入されており、160万人以上が研修プログラムを受講しているe-ラーニングシステムです。月額7万円でユーザー登録数無制限で利用できるため、社員数が多い企業ほど割安で利用できます。
特別な機材や編集ソフトのスキルがなくても、直観的に操作できるため、研修プログラムのコンテンツを簡単に作成できます。また、動画やスライド形式のコンテンツだけでなく、テストやアンケートなどの形式のコンテンツも制作が可能です。
各社員の受講状況まで細かく管理できるため、パーソナライズドラーニングを始めたい方におすすめのサービスとなっています。
・あしたのチーム
出典元:『あしたのチーム』
あしたのチームは4,000社以上に導入されている人事評価制度の構築システムです。人事評価業務データを一元管理できます。対象者の評価シートを瞬時に閲覧できるだけでなく、入力データを分析することも可能です。
社内認定試験をクリアした評価マイスターが、人事評価のやり方や見直し方をサポートしてくれるため、どのように人事評価をすれば社員に納得してもらえるのか良いアドバイスがもらえます。
・エグジットインタビューいっと
出典元:『エグジットインタビューいっと』
エグジットインタビューは、アンケートシステムとインタビューサービスで従業員のホンネを引き出すサービスです。1on1面談を実施しているけれど、部下が離職してしまうなど悩みを抱えた際に、企業が抱える問題点を洗い出せます。
また、従業員がイキイキと働けるために人事評価や労務管理をしているけれど、社員が求めているものと認識ズレが起きていることも珍しくありません。企業と従業員の認識ズレなども調査できるサービスとなっています。
◆まとめ
今回はパーソナライズドラーニングについて解説しました。ICT(情報通信技術)の普及でeラーニングが普及し、対象者に見合った研修プログラムを用意できるようになりました。
部門全体、階級全体の研修プログラムは組織一体感が芽生えますが、各自の理解度を把握しないまま進めてしまうため効果が見込みにくいです。このような問題をパーソナライズドラーニングで解決できるとして注目をあびています。
今回はパーソナライズドラーニングを実現するための流れをご紹介しました。ぜひ、この記事を参考にしながら、トレンドの研修方法を採用してみてください。
いっとは、第三者の専門家がお客様に代わって、従業員の “4つのホンネ” をヒアリングするサービスを提供しています。
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