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2024.6.28

連鎖退職とは?組織が崩壊する末路から連鎖を止める方法まで解説

従業員が続々と退職して業務が回らなくなれば、人材不足で倒産してしまうかもしれません。このような連鎖退職はどのように防止すれば良いのでしょうか?ここでは、連鎖退職について解説します。

この記事では、連鎖退職を食い止められない場合の末路から対策方法まで説明しています。従業員の退職の多さに悩んでいる人事担当者は、この記事を参考にしてみてください。

◆連鎖退職とは

連鎖退職とは、1人の従業員が退職した後に、他の従業員が続々と退職する現象をいいます。

誰かの退職が周囲に影響を与えて「あの人が退職したら、会社に将来性は見込めないな」と他の従業員が続々と辞めてしまうのです。誰かとは「管理職」や「エース社員」など職場で活躍していて、会社に大きな貢献をしている人を指します。

連鎖退職を引き止めない限り、他の従業員に業務負荷がかかります。また人材補充するために採用コスト、教育コストをかけなければいけません。最悪の場合、連鎖退職で倒産してしまう恐れがあります。したがって、早期の段階で連鎖退職を食い止めるようにしましょう。

◆連鎖退職の末路

連鎖退職を食い止めなければ、どのような末路を辿ってしまうのでしょうか?ここでは、連鎖退職でどのような末路に至るのか解説します。 

・従業員の士気が低下する

社内で活躍していた従業員が退職すると、他の従業員の士気が低下してしまいます。その理由は「売上に貢献していた人が退職して、この会社は大丈夫なのだろうか?」と不安に陥ってしまうためです。

また「信頼していた〇〇さんが退職してしまい不安だ」と悩むこともあります。そのような気持ちを抱えている中で、上司や同僚が入れ替わったり仕事内容の変更が与儀なくされたりすると仕事の意欲を失ってしまいます。

・従業員に業務負荷がかかる

エース社員が退職してしまうと、他の従業員に業務負荷がかかります。業務量や業務内容次第では、残りの従業員ではカバーし切れないかもしれません。業務が回らなくなってしまうこともあります。

残された従業員は退職した人の業務を兼務するなど、忙しく働くことになります。この負担が重たければ、連鎖退職が起きるため注意しましょう。

・人員補充のコストがかかる

退職者が相次いだら、業務が回せるように人員補充するために採用コストを支払わなければいけません。

株式会社リクルート就職みらい研究所「就職白書2020」によると、中途採用1人当たりの平均採用コストは103.3万円と記載されています。連鎖退職で複数名を採用する場合は数百万円の採用コストを用意しなければいけません。このように、人員補充コストが大きな負担となってしまいます。

・企業の評判が下がる

連鎖退職を食い止めることができなければ、企業の評判が下がっていきます。なぜなら、現代はインターネットを活用して誰でも気軽に情報発信できる時代となったためです。企業に対する口コミで「連鎖退職が起きていて、従業員の業務負荷が重たいのか大変そうだった」と第三者の人が情報発信することもあります。

このような口コミが寄せられてしまうと評判が下がり、「業務過多できつい会社」「ブラック企業なのでないか?」と疑われてしまいます。このような悪い評判が広がれば、人材確保にも影響が出てしまいます。

・企業が倒産してしまう

従業員の士気が低下して生産性が落ちたり、企業の評判が下がり人員補充ができず業務が回せなくなったりすると企業は倒産してしまいます。とくに中小企業の連鎖退職のダメージが大きくて倒産に至りやすいです。

帝国データバンクの『人手不足倒産件数推移』では、2022年に判明した人手不足による倒産件数は140件です。毎年100社以上の会社が人手不足で倒産しているため、連鎖退職による倒産してしまうこともあるのです。

◆連鎖退職の原因と対処法

連鎖退職の恐ろしさを理解して頂けたと思いますが、なぜ起きてしまうのでしょうか?連鎖退職の原因を知り対処法を知っておけば食い止められるため学習しておきましょう。

・優秀な社員の退職で将来が不安になる

優秀な社員が退職してしまうと、他の従業員は「会社に見切りを付けたのか?」「優秀な〇〇さんがいなくて会社は大丈夫だろうか」と感じてしまいます。

とくに、周りの相談役をしていたり、熱心に部下を指導していたりした人望のある社員が退職すると大きなインパクトがあります。そのため、他の従業員も退職すべきかどうか検討するようになるのです。

対処法:優秀な社員のエンゲージメントを高める

優秀な社員が退職しないように離職防止対策をしておきましょう。例えば、エース社員の人事評価は適性かどうかを見直したり、裁量を増やしてあげたりすることが大切です。

エース社員の意見を聞き、会社の方針とズレていないかを確認しましょう。エース社員が不満や疑問を抱いていたら、きちんと話し合うことが大切です。

・従業員の業務負荷が高くて辛い

従業員が続々と退職すると、既存社員に大きな負荷がかかります。通常業務の他にも、退職者の仕事を引き継いだり、新たな人を教育したりしなければいけません。

連鎖退職が起きた場合、既存社員の負担が大きくなり過ぎて、残業・休日出勤が常態化してしまう場合もあります。このような状態に陥ると「このまま働き続けられる環境ではない」と思われて、連鎖退職が発生してしまうのです。

対処法:業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を減らす

連鎖退職が発生すると、既存社員に大きな負担がかかります。そのため、業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」を減らしましょう。主な取り組みには、以下のようなものがあります。 

  • 委託できる業務はアウトソーシングする
  • RPAなどITを活用して業務の自動化をする
  • 不要な業務フローを削減する

・労働条件に対する不満

連鎖退職が発生する中でも、残業や休日出勤して会社に貢献しても報われなければ、労働条件に対する不満が出てしまいます。例えば、どんなに頑張っても年功序列制度で賃金が上がるようであれば「休日出勤するのがバカらしい」と思って、労働条件のよい会社に転職してしまいます。

対処法:労働条件や人事評価の見直しをする

自社で働いてくれている社員が満足できるように、労働条件や人事評価の見直しをしましょう。連鎖退職が発生している最中は労働条件の見直しは難しいかもしれません。

このような場合は、業務負荷がかかっても仕事をしてくれる社員を労うようにしましょう。人事評価で正しく評価してあげると満足してもらえるようになります。

◆連鎖退職を防ぐ方法

連鎖退職の原因と対処法をご紹介しましたが、それぞれの企業で抱える問題は異なります。そのため、退職理由の本音を引き出して職場改善に努めることで連鎖退職を食い止めていかなければいけません。どのように連鎖退職を防げばよいかを覚えておきましょう。

・退職面談を実施する

人事担当者は連鎖退職を防ぐために、退職希望者と面談して、どのような点が不満だったかを聞き出しましょう。この面談を「退職面談」と呼び、以下のような流れで行います。

  1. 会社に貢献してくれたことに対して労りの言葉を伝える
  2. 転職活動の状況を聞いて可能な範囲サポートする
  3. 会社の待遇や職場環境などについて評価をしてもらう
  4. 出戻り雇用制度について説明しておく 

退職前に会社に対する評価をしてもらい、改善すべき箇所を見つけて対処していきます。この退職面談で重要なことは、退職者から本音を引き出すことです。

・職場環境の改善計画の立案・実行

退職面談で職場環境の改善点を聞き出せたら、職場環境の改善計画を立てて実行していきます。複数の改善点がある場合は、何を優先すべきかを見極めて対処するようにしましょう。職場環境を改善方法には3つの方法があります。

  • 経営者主導型:経営層が事業場全体の改善を進めていく方法
  • 管理監督者主導型:管理監督者が部門間の業務改善を進めていく方法
  • 従業員参加型:全員で職場の雰囲気を変えていく方法 

連鎖退職の場合は従業員の士気が低下していることが多いです。そのため、経営者主導型や管理監督者主導型などリーダーが牽引して、職場環境を改善すると良いでしょう。

・職場環境の改善施策の効果検証を行う

職場環境を改善したら効果検証をしてください。なぜなら、職場改善の施策が有効的であったかを確認しなければ、連鎖退職を食い止められないためです。

職場環境の施策の効果は、従業員サーベイなどを活用して従業員満足度が施策の前後で上がったか確認することで測定できます。

◆退職者の本音を聞くサービス「エグジットインタビューいっと」

連鎖退職を食い止めるためには、退職者と退職面談を実施して不満点を聞き出し、職場を改善することが大切だと説明しました。しかし、退職者から本音を引き出すことは難しいです。その理由は、円満退職するために、退職者は退職理由に建て前を伝えることがあるためです。

もし、退職者の本音を聞いて職場環境の改善がしたいという方は「エグジットインタビューいっと」を利用してみてください。

エグジットインタビューは、第三者の立場で退職者をインタビューして退職理由の本音を聞き出すサービスです。それだけでなく、職場の改善案の提案まで行います。そのため、会社を退職する人が多くて悩んでいるという方は、エグジットインタビューを利用してみてください。

◆まとめ

連鎖退職とは、1人の従業員が退職して他の従業員が続々と退職する現象をいいます。連鎖退職は、従業員の士気の低下や業務負荷の増大が起き、不満を募らせた人が続々と会社を去っていきます。

連鎖退職を防がなければ倒産してしまう恐れもあります。そのため、退職する前に面談を実施して、職場のどこを改善すべきかを聞いて施策を打っていきましょう。

もし、退職面談で退職者から本音を引き出せないと悩んだら、従業員の本音を引き出すサービス「エグジットインタビュー」を利用してみてください。

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