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2023.4.24

社内起業とは?起業志望は1割の中、有望なチームを作る方法

新型コロナウイルス感染拡大など不測の事態に備えて、多角化経営を始めるか検討し、社内起業制度を導入する企業が増えています。社内起業とは何なのでしょうか?どのように取り組むものなのでしょうか?

今回は社内起業について詳しく解説します。この記事を読めば、中小企業も社内企業制度を導入できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

社内起業とは

社内起業とは、新規ビジネスを立ち上げるための取り組みです。従業員からアイデアを募り、良い提案に出資して新規ビジネスを生み出していきます。既存事業に捉われないビジネスが展開できる点が魅力です。主に資金力のある大企業で導入されている制度ですが、中小企業でも導入できます。

・社内起業のメリット

社内起業制度を導入して新規ビジネスを展開すると、次のようなメリットがあります。

  • 新規ビジネスによる売上拡大が見込める
  • 既存ビジネスが停滞したときリスク対策ができる
  • 従業員が積極的にビジネス展開に取り組む風土ができる
  •  余剰金の投資先を見つけられて先行投資ができる
  • 従業員にビジネスチャンスを与えられて優秀な人材を育成できる

・社内起業のデメリット

社内起業制度を導入して新規ビジネスを展開すると、次のようなデメリットがあります。

  • 経営者が意見を出して従業員が自由に経営できなくなる
  • 取り組み方を間違えて投資がムダに終わることがある
  • 失敗した際の責任所在でトラブルになる恐れがある
  • 起業に興味がある従業員がいなくて失敗に終わる

◆[補足]起業に興味がある人の割合は約1割

社内起業制度を導入前に、起業に興味がある従業員がいるかを調査しましょう。その理由は起業に興味がある人の割合は約1割と少ないためです。

日本政策金融公庫総合研究所の調査結果では、18歳から69歳の男女で起業に関心がある人の割合は14.3%となっています。男女別の割合にすると、男性が17.7%、女性が11.0%です。

この調査結果から分かる通り、起業に興味がある人の割合は少ないため、社内起業制度を導入する前に新規ビジネスに興味がある従業員がいるかどうかを調査することをおすすめします。

◆社内起業に取り組む際の課題と解決策

社内起業に取り組みたい場合は、何を準備すれば良いのでしょうか?大切なことは、社内起業を成功させるために事前準備をしておくことです。ここでは、社内起業に取り組む前の課題と解決策をご紹介します。

・既存事業の経営が疎かになる

社内起業に取り組む際にリーダーを決めても経営者が意見をするなどのケースが多くみられます。また、新規ビジネスに注力するあまり、既存ビジネスが疎かになるケースも珍しくありません。そのため、既存事業の経営が疎かになる恐れがあることを自覚しておくようにしましょう。

解決策:既存事業と切り離す

社内起業は既存事業と別組織として完全に切り離すと、既存事業の経営が疎かになることはありません。また、2つの事業を切り離して考えることで柔軟な発想ができるようになり、さまざまなアイデアが飛び交うようになります。

・新事業を担う人材を確保できない

日本政策金融公庫総合研究所による調査結果では、起業に興味がある人の割合は約1割だと述べました。この調査結果から分かる通り、新ビジネスを手がけたいという野心を持っている人は少ないです。そのため、社内起業制度で多角化経営を始めたいと思っても、経営者の独りよがりになってしまう恐れがあります。

解決策:新規事業支援会社に相談する

社内で新事業を担う人材を確保できない場合は、新規事業支援会社に相談するのも1つの選択肢です。新規事業支援会社に相談をすれば、自社の経営資産の棚卸しから、事業戦略の構築、販路開拓までサポートしてもらえます。

新規事業支援会社の利用は、余剰金があり、ビジネスに先行投資して外部環境の急変によるリスク対策に備えたいという方におすすめです。

・自己資金が用意できない

社内起業制度を導入して新規事業を立ち上げたいけれど、自己資金が用意できないと諦めてしまう企業は多く見受けられます。

日本政策金融公庫総合研究所の調査報告書「2020年度新規開業実態調査」によると、平均開業資金は1,194万円となっています。新規事業を立ち上げるには、1,000万円以上の資金が必要になるため社内起業を諦める選択をする企業も多いです。

解決策:融資を受ける

自己資金を用意できない場合でも新規事業は立ち上げられます。なぜなら、融資が受けられるためです。自己資金が用意できなくても融資してくれる金融機関はあります。

また、既存事業の経営状況が良い企業は融資を受けやすいです。普段利用している金融機関に融資相談をしてみると悩みが解決できるでしょう。

◆社内起業の立ち上げ方

社内起業の事前準備を説明しましたが、どのように新規事業を立ち上げるのでしょうか?社内起業の立ち上げ方には2通りの方法があります。

・経営者主導型

経営者主導型とは、経営者が新規事業を生み出して組織を構築して、新たなビジネスを生み出すパターンです。

新規事業内容を経営者が提示して、従業員が従っていきます。経営者主導型の新規事業を成功させるためには、経営者が市場や現場を把握しており、それをビジネスに反映できるかが鍵となります。

・従業員参加型

従業員参加型とは、社内公募や社内ベンチャー制度を利用して、新規事業のアイデアを募り、良いアイデアに資金支援して新たなビジネスを生み出していくパターンです。

新規事業を発案する従業員には熱意があり、推進する力を持っています。このような従業員に新規事業を任せることで、事業拡大を狙っていく方法です。社内起業制度に該当するのは従業員参加型です。

◆社内起業の立ち上げを成功させる方法

社内起業に取り組む方法をご紹介しましたが、成功させるためのコツを押さえておきましょう。

・新規事業を独立させる

新規企業を立ち上げる場合は、組織を独立させましょう。新規事業を展開するための運営元を既存事業メンバーに依存してしまうと、事業展開のスピードが落ちてしまいます。総務や経理の事務手続きも混乱を招いてしまい業務が停滞してしまいます。

このような問題が起きないように、新規事業のために新たな組織を構築しておくようにしましょう。組織メンバーを決める場合は、各自の仕事に対する価値観を把握しておくと良いです。新規事業は「新しいことに挑戦したい」など刺激を好むメンバーを集めると成功しやすいです。

・経営の判断スピードを上げる

社内起業で生み出した新規事業を成功させるためには、経営の判断スピードを上げる必要があります。その理由は、意思決定まで時間がかかると、その間に競合他社に差が付けられてしまうためです。

新規事業を従業員に任せていても、最終的な判断は経営者が下すようでは、意思決定スピードが遅くなってしまいます。そのため、経営者の介入は少なくして、ある程度の権限は従業員に一任するようにしましょう。

・新規事業の撤退基準を決めておく

新規事業を展開する際は、撤退基準を決めておきましょう。なぜなら、会社の存続にも大きな影響を与えるためです。新規事業は最初から起動に乗ることは少なく、収益が見込めない時期もあります。

このような場合に、新規事業が失敗なのかどうか検証がしにくいです。そのまま事業を継続すると、経営を圧迫する恐れがあります。そのため、新規事業の予算など撤退基準を明確に決めておきましょう。

社内起業制度を導入している企業事例

出典元:『株式会社LIFULL

株式会社LIFULLは住宅・不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S」などを運営しているインターネット事業会社です。同社には「SWITCH」と呼ばれる新規事業提案制度があります。年間150件以上の新規事業が提案され、いくつかは事業展開されており、代表事業は「LIFULL senior(ライフルシニア)」です。

LIFULL seniorは”老後の不安をゼロにする”をミッションに「介護施設情報の提供」「遺品整理業者の紹介」「買い物代行サービスの提供」「介護に関する情報提供」など幅広いサービスを提供しています。LIFULL seniorは高齢社会の時代に適したサービスで、黒字化経営に成功しています。不動産業界とは異なる業界に進出することで、売上拡大に成功している企業事例です。

◆まとめ

社内起業制度を導入すると、既存事業とは別分野の新たなビジネスを生み出していけます。新規事業を発案する従業員には熱意があり、推進する力を持っています。このような従業員に新規事業を任せることで、事業拡大を狙っていけるでしょう。

新規事業を成功させるには、新しいことに挑戦したいなど仕事に対する価値観が似ているメンバーを集めることが大切です。そのため、従業員の仕事に対する価値観のホンネを引き出して良いチームを作るようにしましょう。

 従業員のホンネを引き出して、新規事業チームを結成したいという方は、ぜひエグジットインタビューいっとを利用してみてください。

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