リモートワークを導入して社員同士のコミュニケーションが減った場合、どのようにチーム一体感を醸成すれば良いのでしょうか?人事担当者の方はオンラインイベントを開催しようと試みますが、どのような企画を立てれば良いか悩むものです。
そのような悩みを抱えた方向けにオンラインイベントの成功事例をご紹介します。この記事を読めば、オンラインイベントの流れや取り組み方が理解できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
◆オンラインイベントの一覧表
企業で行われるオンラインイベントには以下のようなものがあります。
◆組織力を向上させるオンラインイベント
まずは組織力を向上させるために開催したいオンラインイベントをご紹介します。
・表彰式
会社に貢献した社員を称賛して感謝を伝えることで、社員のモチベーションを向上できます。また表彰式の受賞者のコメントで活躍できた理由を話せば、仕事上のノウハウが共有できます。
全てオンラインで開催する表彰式と、オンラインとオフラインのハイブリッド型で開催する表彰式がありますが、インターネットが接続できる場所であれば気軽に参加できることが大きな魅力です。社員の家族も表彰式に参加できるように工夫すれば、日頃の活躍を知ってもらう機会にもなります。
[表彰式の流れ]
- オープニング
- 始めの挨拶
- 受賞候補者を紹介
- 受賞者の発表
- 表彰
- 受賞者のコメント
- 参加者からのお祝いのコメント
- 締めの挨拶
成功事例:株式会社サイバーエージェント
出典元:『CyberAgentWay』
株式会社サイバーエージェントは「メディア事業」「インターネット広告事業」「ゲーム事業」を展開するインターネット広告会社です。同社は社内で活躍するエンジニア・クリエイターを表彰するための「CA BASE AWARD」を開催しています。表彰式ではベストエンジニア賞が5名、ベストクリエイター賞を3名選出。
同社の表彰式が成功した要因は、透明性と公平性を保ち受賞候補者を選定したことです。誰もが納得できる人を受賞者に選び「推薦コメント」「審査委員の評論」「具体的な成果」を発表しました。このような表彰式を開催して、社員のモチベーションアップやノウハウ共有を行っています。
・社員総会
年期や半期に企業の業績を振り返るために社員総会を開催します。また創業10周年記念などの節目に社員総会が行われます。社員総会は、自社に対する理解を深めてもらう場です。それだけでなく、日頃、会社に貢献してくれる社員を労う場でもあります。
会社の業績を振り返りながら、今後目指す方向性などを周知させて、働く意味について考えてもらいます。創業10周年記念などではイベントを持ち上げるためのムーブメントを作成することも多いです。
[表彰式の流れ]
- オープニング
- 始めの挨拶
- 代表の挨拶
- 企業理念や企業方針の説明
- 業績の発表
- 今後の取り組み
- トークセッション
- 活躍している社員の表彰
- 締めの挨拶
成功事例:株式会社Goodpatch
出典元:『Goodpatch Blog』
株式会社Goodpatchはプロダクト開発などクライアント企業が抱えるビジネス課題をITで解決している会社です。同社は2021年に創業10周年を迎え、オンラインとオフラインのハイブリッド型の社員総会を開催。
代表取締役が同社を立ち上げた頃の想いや、その想いを形にするために組織全体で何に取り組めば良いのかを話し合い、10年間の歴史を振り返るムービーを流すなど、自社に対する理解を深める場を提供しました。それだけでなく、会社に貢献してくれている社員を称賛するための授賞式を行うなど「株式会社Goodpatchで働く意義とは?」を振り返るインナーブランディングに成功しています。
・新入社員の歓迎会
新入社員と先輩社員が交流を深めて、チーム体制を取りやすくするために開催します。新入社員は、社内にどのような先輩がいるか知る機会となります。
先輩社員も同じ部署にどのような新入社員が入ってくるか知る機会となりチーム結束するためのキッカケづくりとなるものです。また、新入社員に社会人として活躍し始めることを意識付けるためにも行われます。
[新入社員の流れ]
- 開会の挨拶
- 幹事の挨拶
- 主役の紹介
- 新入社員の挨拶
- 乾杯
- 食事や雑談
- 締めの挨拶
- 閉会の挨拶
成功事例:株式会社トレタ
出典元:『株式会社トレタnote』
株式会社トレタは飲食店の予約を簡単にできて情報を一元管理できるサービスを提供している会社です。同社は新入社員の歓迎会をオンラインで開催して、先輩社員と交流を深めることに成功しました。
同社の歓迎会が上手くいった理由は、入念に事前準備をしたためです。新入社員の自宅に歓迎会支援セット(メッセージカード、ドリンク、おつまみ、クレドカード、Tシャツ)を送り、手ぶらで気軽に参加できるように工夫しました。
また、歓迎会用バーチャル背景を作成して、参加者に利用するように促し一体感を演出。食事や雑談タイムでは4名~6名で部屋割りして、さまざまな人と話せるように工夫しました。このような工夫により、オンラインでも有意義な歓迎会を開催できました。
◆社員教育向けのオンラインイベント
次に社員教育向けのオンラインイベントをご紹介します。
・社員研修
社員研修は社員の成長を促して、生産性を上げるために行われます。社員研修の方法は以下の3つあります。
- OJT:現場で働く先輩社員がメンターとなり業務に必要な知識を教える
- OFF-JT:外部から講師を読んで業務に必要なスキルを身に付ける
- eラーニング:自分のスキルに合わせた研修プログラミングを探して学ぶ
近頃は上司と部下が1on1面談を実施して、目標や課題を共有し、それに見合う研修を受けるというパーソナライズドラーニングがトレンドになっています。
成功事例:株式会社NTTファシリティーズ
出典元:『株式会社NTTファシリティーズ』
株式会社NTTファシリティーズは建築×エネルギー×ICT技術を提供するエンジニアリング会社です。新型コロナウイルス感染拡大を機会にオンライン研修に移行しました。その結果、社員が一日中講義を聞くという研修スタイルになってしまったのです。
講義を聞き続けるのは疲れてしまうという問題を解決するために、参加型のオンライン研修に切り替えました。おえかきコミュニケーションワークショップなどのプログラムを利用して、参加者同士の交流を深め、楽しく研修を受けられる環境を整備しています。
・新規事業開発コンテスト
新規事業開発コンテストとは、既存事業とは関係ない新規事業のアイデアを募集して、優秀なアイデアはサービス化できるという夢のようなコンテンストです。社内起業制度を導入している企業で新規事業開発コンテストが開催されています。
オンライン形式でコンテストを開催すれば、各拠点のメンバーから新規事業のアイデアを収集しやすくなります。
成功事例:株式会社リクルートホールディングス
出典元:『株式会社リクルートホールディングス』
株式会社リクルートホールディングスは、求人広告や人材紹介のサービスを提供しているIT会社です。同社は毎年、新規事業開発コンテスト「Ring」を開催しています。Ringは全従業員が対象で新規事業のアイデアを募集して、素晴らしいアイデアを提案したらサービスにできるコンテンストです。
Ringからは「ゼクシィ」「スタディサプリ」など有名なサービスが輩出されてきました。オフラインだけでなく、オンライン参加も可能にしたことで、より多くの新規事業のアイデアが集まるようになりました。
◆チームビルディング向けのオンラインイベント
次にチームビルディング向けのオンラインイベントをご紹介します。
・オンライン運動会
PCやタブレット、スマホを用意してオンライン上でゲームを競い合います。チーム対抗戦で戦うことで「コミュニケーションの促進」「チーム一体感の醸成」「メンバーの新たな一面の発見」ができ、チームの仲が深められます。オンライン運動会の主な競技種目は以下の通りです。
- マッチングジェスチャー:仲間と同じポーズを取れたら得点
- 借り物しりとりリレー:自宅にあるものでしりとりしてタイムを競い合う
- シェイクシェイク:スマホを振った回数を競い合う
成功事例:株式会社運動会屋
出典元:『株式会社運動会屋』
株式会社運動会屋は、企業や団体向けのイベント運営をサポートしている会社です。テレワークを導入して社内コミュニケーションが希薄になった、社員の帰属意識が薄れてしまったなどの悩みを抱えている企業を支援しています。
これまで2000社を超える企業のイベントを支援した実績があり、オンライン運動会の運営だけでなく、必要備品の準備や懇親会の幹事など幅広く対応できます。多くの実績を保有しているイベント運営会社のため、オンライン運動会を開催したい場合は相談してみると良いでしょう。
・リモートランチ会
リモートランチ会は、仕事のチームメンバーの人間関係を円滑にするために行います。人間関係を円滑にしておけば、テレワークの仕事をよりスムーズに進められます。リモートワークはお互いの状況が見えにくいです。
従業員が1人で悩みを抱え、心身不調になった後に体調不良の連絡が来ることも多いです。このようなトラブルを回避するために、リモートランチ会が開催されます。
成功事例:株式会社OKAN
出典元:『株式会社OKAN PRTIMES』
株式会社OKANは「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッションに、オフィス型社食サービスを提供している会社です。
同社はリモートランチ会でオフィス出社のメンバーと在宅勤務のメンバーが同じものを食べる習慣作りをしています。そのような習慣が作れる理由は、オフィスには社食サービスがあり、在宅勤務者向けには社食仕送り便サービスを用意しているためです。同じご飯を食べることで、リモートランチでの会話を弾ませています。
◆まとめ
今回はオンラインイベントについて成功事例を含めて解説しました。リモートワークではお互いの状況が見えず、孤独感からモチベーションが低下する恐れもあります。そのため、従業員のモチベーションアップやメンバー同士の交流を目的にオンラインイベントを開催してみてください。
また、オンラインイベント運営に悩んだら従業員からホンネを聞き出しましょう。「どのようなオンラインイベントだと満足できるのか?」「オンラインイベントを開催して欲しいと思っているのか?」など、エグジットインタビューいっとであれば、従業員のホンネを聞き出せます。ぜひ、興味がある方はお問い合わせください。