人事担当者は退職希望者を呼び出して退職面談を行う必要があります。退職面談の目的は何なのでしょうか?どのような流れで退職面談を行えば良いのでしょうか?ここでは、人事担当者が行う退職面談のやり方をご紹介します。
目次
◆ [はじめに]人事担当者が行う退職面談の目的
まずは、人事担当者が退職面談を行う目的をご紹介します。
・ 職場環境の改善に役立てるため
退職者から退職理由を聞いて職場改善していかなければ、次々と人材が流出してしまいます。
「待遇が悪い」「労働環境が悪い」「職場の人間関係が悪い」など多くの問題がありますが、把握せずに放置すると人材流出は防げません。そのため、社内環境を整備するために、退職者から職場の不満を聞き出します。
職場環境を構成するのは主に5つです。5つの要素の中に不満がなかったか尋ねてみましょう。
■職場環境を構成する要素
・ 会社の評判を落とさないため
TwitterなどSNSが普及して、誰でも気軽に情報発信ができるようになり、多くの人が情報交換しています。そのため、会社の評判も広まりやすくなっています。
退職者を冷遇に扱うと会社の悪い評判が広まる可能性があるため注意しなければいけません。会社の悪い評判が広まると「内定先の会社の評判が気になりネット検索して調べてみると、悪い評判が書かれていて不安になった」と内定辞退されてしまいます。
また、求人への応募者も少なくなります。このような問題が発生するため、会社の評判を落とさないように気をつけましょう。
・ 社員をアルムナイ採用するため
近頃は退職した社員をアルムナイ採用(出戻り雇用)する動きが活発化しています。その理由は、少子高齢化で労働者が不足しているためです。そのため、退職者と縁を切るのではなく、良好な関係を築いて出戻り雇用できるように準備しておくことが大切です。
異なる環境で働いてみて、前の職場が合っていたと気づく人も少なからずいます。退職した社員をアルムナイ採用すれば、採用コストや教育コストが減らせます。また、企業文化を理解しているため即戦力として活躍してもらえるでしょう。
現役社員から不平不満が出るリスクがあるため、アルムナイ採用について理解を深めておきましょう。
アルムナイ採用(出戻り雇用)について詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『約2割の企業が取り組み始める出戻り雇用!制度の整え方を解説!』
◆ 人事担当者が行う退職面談の流れ
人事担当者が行う退職面談の流れは以下の通りです。
・ 労いの言葉を伝える
まずは、退職者にお世話になった感謝と会社に貢献してくれた敬意を表す労いの言葉を伝えましょう。思い出に残る出来事があれば、エピソードを交えると親しみが増します。
労いの言葉の例
・ 転職活動の状況を聞いてサポートする
退職者と良好な関係を築くために相手の将来を応援しましょう。聞ける範囲で転職活動の状況を聞いて会社側がサポートしてあげます。
例えば、転職活動中の場合は有給休暇の取得を許可してあげましょう。
また、転職先で紹介状を提出する必要があり、依頼された快く引き受けてあげましょう。もちろん、支障が出ない程度のサポートで構いません。このようなサポートをすることで、相手と信頼関係が築けます。
・ 待遇や職場環境など会社を評価してもらう
次に職場環境を改善するために、待遇面や職場環境など会社を評価してもらいましょう。退職理由の定性データを聞き出したいときは、人事担当者が退職者に質問していきます。その一方で定量データを収集したいときは、退職アンケートに回答してもらいます。
退職者の退職理由の調査方法について詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『退職理由の3つの調査方法!本音を聞くためにどの調査方法を選ぶ?』
・ 出戻り雇用制度について説明する
最後に元社員を再雇用する出戻り雇用制度(アルムナイ採用)があることを説明します。アルムナイ採用のサイトを運営しておくとスムーズです。
また、退職者との縁が切れないように、元社員も参加できる社内イベントを計画したり、元社員向けの広報誌を作成したりしましょう。
何よりも大切なことは、人事担当者が元社員と良好な関係を築くことです。良好な関係を築いておけば、出戻り雇用がしやすくなります。
◆ 人事担当者が退職面談を行う場合のポイント
人事担当者が退職面談を行って、退職者と良好な関係を築くためには以下を意識してみてください。
・ カジュアルな形式で行う
人事担当者の退職面談はカジュアルな形式で行いましょう。その理由はカジュアル形式の面談を行うことで、退職者から本音を引き出せるようになるためです。相手から退職理由の本音を引き出すためにも、人事担当者も自己開示するようにしましょう。
・ 退職者の意見を尊重する
優秀な社員が退職する場合は引き止めたくなりますが、退職者の意思は第一に優先しましょう。その理由は無理に引き止めると会社の印象が悪くなるためです。
また、退職面談で企業の不満を聞かされたり、職場の人の悪口を聞かされたりするかもしれません。このような場合、不快な思いをするかもしれませんが感情的に受け止めず、全てを受け入れるように心がけましょう。退職面談の目的は情報収集と認識しておくことが大切です。
・ 第三者機関を活用する
退職者が職場に不満を持っていても、本音を話してくれるとは限りません。キャリアアップのためと建て前の退職理由を伝えることが大半です。
しかし、本音の退職理由が聞けないと職場環境の改善はできません。そのため、職場改善をするために退職理由の本音を聞き出したい場合は第三者機関を活用してみてください。
また、第三者機関による調査を依頼すれば、退職面談の実施、自社の課題や職場改善までレポートにまとめてもらえるため便利です。
退職面談を第三者機関に委託したい場合は「エグジットインタビューいっと」をご検討ください。
◆ 退職面談を職場改善に反映する方法
退職面談を終えたら、人事担当者は職場改善に努めます。職場改善の手順は以下の通りです。
1.退職原因を把握する
2.職場環境を改善する
3.改善施策の効果を測定する
ここでは、それぞれの手順について詳しく解説します。
・ 退職原因を把握する
退職者から退職原因を聞き出して、職場環境を改善していきます。退職面談の結果、退職原因が複数あった場合は優先順位を立てて職場環境を改善していかなければいけません。このような場合は、退職アンケートの結果を参考にしながら、どの施策を優先して行うべきか決めていきましょう。
・ 職場環境を改善する
退職原因から職場環境の問題点を洗い出せたら、職場環境を改善していきます。職場環境を改善する方法にもよりますが、3通りの方法で改善できます。
■経営層主導型
経営者が事業場全体の対策を進める方法で、職場環境の改善の工数を減らしたい方におすすめの方法です。
■管理監督者主導型
管理監督者が主導して対策を進める方法で、部署別に職場環境の改善をしたい方におすすめの方法です。
■従業員参加型
従業員参加型で対策を進める方法で、みんなで職場環境を改善したい方におすすめの方法です。
・ 改善施策の効果を測定する
職場環境の改善をしたら効果の測定をしましょう。その理由は、改善施策で本当に離職率が下がったのか判断するためです。離職率が下がっていない場合は、他の問題が離職に繋がっていると考えられます。これらは、効果測定しないと分からないため必ず検証しましょう。
・ [ポイント]職場環境の問題を洗い出すことが大切
職場環境を改善する前に問題を洗い出すことが大切です。なぜなら、職場環境の問題を洗い出さなければ、どのような施策をして良いか分からないためです。改善施策にはコストがかかりますが、投資コストがムダになってしまうでしょう。
このような投資コストのムダをなくすためにも職場環境の問題を洗い出します。その中でも、退職者から本音を聞き出すのが一番効果的です。そのため、人事担当者は退職面談を行うようにしましょう。
◆ まとめ
今回は人事担当者が行いたい退職面談について解説しました。退職面談には、職場環境の改善をするためやアルムナイ採用(出戻り雇用)するために行います。この記事では、退職面談のやり方をご紹介しましたので、ぜひ、この記事を参考にしながら取り組んでみてください。
人事担当者の退職面談で、退職希望者のホンネを聞き出せるか分からないと悩んでいる方は、エグジットインタビューいっとを利用してみてください。お客様の代わりに退職希望者から退職理由をヒアリング、職場課題の改善方法を提案させていただきます。