「1年目も2年目も同じような業務しか経験できない…」「仕事の意義を見出せない…」と仕事の意義を感じられず退職する人がいます。
従業員が仕事の意義を見つけられなければ、仕事に対する意欲が湧かず生産性が落ちていまいかねません。このような現状を変えるために、企業側はどのような取り組みをすべきなのでしょうか?
今回は仕事の意義について詳しく解説します。この記事では、従業員が仕事の意義を見つけられない原因から発見方法までご紹介しているため、職場を見直す際にお役立てください。
目次
仕事の意義とは
仕事の意義とは、仕事をする目的や価値です。1人1人仕事の意義は異なりますが「何のために仕事をするのか」「どのような価値観を大切にしているのか」を明確にしておくことで、仕事に意欲的に取り組めるようになります。
仕事の意義の例
仕事の意義は十人十色ですが、代表的な例をご紹介します。
・仕事の意義の例
【経済的理由】
- 家族を養うために収入を得たい
- 趣味を楽しむためにお金を稼ぎたい
- 老後のために貯金したい
【社会貢献】
- 医療・福祉など役に立てる仕事に就きたい
- 地域活動に参加したい
- 新しいサービスで社会の発展に貢献したい
【自己実現】
- 自分の能力を最大限に活かしたい
- 専門分野を極めてプロフェショナルになりたい
- クリティブな仕事を通して自己表現したい
【つながり】
- 多くの人とコミュニケーションを深めたい
- チームで一つの目標を達成したい
- 顧客に喜んでもらい役に立ちたい
【働きがい】
- 仕事を通して成長を感じたい
- 楽しい仕事をして毎日を充実させたい
仕事の意義を見つけるメリット
従業員が仕事の意義を見つけると、3つのメリットが得られます。
仕事に意欲的に取り組める
従業員が仕事の意義を見つけると、仕事に意欲的に取り組むようになります。
例えば、顧客の笑顔を見ることに意義を感じる営業担当者は顧客視点に立ち、きめ細かなフォローやサポートを自発的に行うでしょう。
従業員1人1人が仕事の意義を持ち、主体的に行動すれば生産性が上がります。
ストレス耐久力が上がる
従業員が仕事の意義を見つけると、ストレス耐久力が上がります。
例えば、顧客の笑顔を見ることに仕事の意義を感じる場合、困難に直面してもモチベーションを維持したまま、最後までやり抜くことができるでしょう。
また、新しいことに挑戦する勇気が湧いて、さまざまなことに果敢に取り組んでいけるようになります。
成長スピードが上がる
従業員が仕事の意義を見つけられれば、自己学習するようになるため成長スピードが上がります。
会社側が研修を行わなくても、積極的にセミナーに参加したり、資格を取得したりするようになります。自分自身の夢を叶えるために自己研鑽するようになるため、成長スピードが速いです。
仕事の意義を見つけられない原因
「仕事の意義を見出せない」と悩む方が多いです。なぜ、従業員は仕事の意義を見出せないのでしょうか?ここでは、従業員が仕事の意義を見つけられない原因をご紹介します。
公平な評価がされていない
公平な評価がされないと仕事のモチベーションが下がり、仕事の意義を見出せなくなります。
例えば、会社に貢献しているにも関わらず正当な評価が受けられなければ、自己肯定感が下がり自信を失いやすくなります。
「自分では自己実現ができるわけがない」「会社や上司が自己実現を応援してくれるわけがない」と思ってしまい、仕事の意義すら考えなくなってしまうのです。
尊敬できる上司や仲間がいない
尊敬できる上司や仲間などロールモデルがいない場合、仕事の目標設定が難しくなってしまいます。なぜなら、ロールモデルがいなければ「どのようなスキルを習得すればよいのか?」「仕事の悩みをどのように解決すればよいのだろうか?」などがわからなくなるためです。
また、頼りがいがない上司や悪口を話す同僚がいると「職場で仕事の意義を見つけるなんて無駄」「最低限の業務だけをこなした方がマシ」と仕事に対して投げやりになります。
キャリア相談・支援が足りない
「学生時代が終わったら仕事をしなければならない」と義務感のみで働いている場合は、自分が何をしたいのか分からなくなる傾向があります。
本来であれば、新入社員に対してキャリア相談やキャリア支援をすべきですが、これらの機会を与えないと仕事の意義を考える機会が失われてしまいます。
仕事の意義を見つけられる職場の作り方
会社側が工夫して職場づくりに取り組めば、従業員は仕事の意義を見つけやすくなります。ここでは、従業員が仕事の意義を見つけられる職場の作り方をご紹介します。
人事評価制度を見直す
人事評価制度を見直して、評価基準や評価プロセスを公開することで、努力すれば正当に評価してもらえることを理解してもらえます。
従業員の中には「安定した収入を得ること」や「家族を養うこと」を仕事の意義にしている人も多いです。そのため、人事評価と報酬は必ず連動させておきましょう。
ロールモデルをつくる
尊敬できる上司や先輩の影響により、仕事の意義を見つけられることもあります。
目標とする人物像がいることで「私も働く意義を持とう」と仕事のモチベーションが高められます。良いロールモデルは、さまざまな効果をもたらすため、ロールモデルとなる人物を育成しましょう。
しかし、社内にロールモデルがいないケースも多いです。ロールモデルがいない場合の対策方法は下記の記事で解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:「ロールモデルがいないと退職につながる!取り組める対策方法を紹介」
従業員のキャリアを支援する
企業側が従業員1人1人のキャリア相談に乗り、キャリアパスを描くなどサポートを行えば、従業員が仕事の意義を見つけやすくなります。従業員のキャリアを支援する際に大切なことは2つあります。
キャリアカウンセリングを行う
従業員がどのようなキャリアを描きたいかを訪ねて支援してあげましょう。
仕事の意義を見つけられていない従業員に対しては「仕事を通して何をしているときに楽しいと感じるか?」「仕事をする上で大切にしていることは?」「仕事でストレスに感じることは?」などを聞くと、大切にしている価値観に気付けるようになります。
キャリアモデルを作成する
従業員がさまざまなキャリアパスを選択できるように、複数のキャリアモデルを提示しておくと、仕事の意義が見つけやすくなります。
例えば、結婚や出産をしても安定収入を得るために仕事を続けるというキャリアモデルを提示しておけば「この会社で働けば、結婚・出産後も働き続けられるんだ」と安心感を抱いてもらえるようになります。
また、専門知識を極めたい人向けのキャリアモデルも提示しておくとよいでしょう。このように、さまざまなキャリアモデルを提示しておくと、理想の働き方が見つけやすくなります。
昇進制度を整備する
仕事の意義を見つけても承認・成長を感じにくい職場では、自分らしく働くことができません。そのため昇進制度を整備しましょう。
会社に貢献してくれている従業員を昇給・昇進させれば、会社から承認されて成長できていることを実感できるようになります。自分に自信が持てて仕事が楽しく感じられるようになり、仕事の意義を考えてもらえるようになります。
多様な働き方が選択できるようにする
仕事の意義を見つけても、会社で実現できなければ落胆してしまい退職されてしまいます。そのため、従業員が希望する働き方が実現できるように働きやすい職場を作りましょう。
例えば、リモートワークを導入すれば場所や時間に縛られない働き方が実現できるようになります。また、フレックスタイム制を導入すれば、従業員がライフスタイルに合わせて働けるようになります。
多様な働き方ができる職場の作り方については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:「多様な働き方の種類を一覧表でまとめて紹介[雇用制度や雇用形態]」
ライフワークバランスを推進する
仕事の意義の中には、家族を養うために安定収入を得たいなどもあります。このような人は仕事と家庭の両方を大切にしているため、ライフワークバランスが保つことを意識しています。
このような考えの人もいるため、ライフワークバランスが保てるように、フレックスタイム制や短時間勤務制度、有給休暇制度などを導入しましょう。
退職理由調査のエグジットインタビューいっと
エグジットインタビューいっとは、企業に潜在する従業員の退職理由を調査するサービスです。
仕事の意義を見つけられない原因には「公平な評価がされていない」「尊敬できる上司や仲間がいない」「キャリア相談・支援が足りない」などがあります。原因を特定することで、どのような対策がよいかを考えて実行できるようになります。
エグジットインタビューいっとは、企業の離職原因を特定して対策方法までご提案しています。そのため、人事施策は行っているけれど、従業員が退職してしまうなど、お悩みを抱えている方はサービスを利用してみてください。
まとめ
仕事の意義とは、仕事をする目的・価値です。仕事の意義を明確にしておくことで、意欲的に働けるようになります。
しかし、仕事の意義を見出せないと悩む従業員が多いです。その原因は「公平な評価がされていない」「尊敬できる上司や仲間がいない」「キャリア相談・支援が足りない」などがあります。そのため、職場の見直しをして、従業員が仕事の意義を感じられるようにしましょう。
エグジットインタビューいっとは、企業に潜在する離職原因を調査するサービスです。従業員がなぜか退職してしまうとお悩みを抱えている方は、サービスをご利用してみてください。